社長が65歳になったら・・・
中小企業の社長には定年がありません。
長く働けるという良さもある一方で、ケジメがつかない、人生を見直すきっかけがない、というデメリットもあります。
であれば、せめて社長が自分の置かれている状況をふり返っていただきたい。
そのためのな“定年制度”を作ってみようというのが、この企画です。
お金と暮らしについてチェックを入れてみましょう。
①自分の戦力分析をしてみる
たとえば野球チームの戦力分析では、投手力、打力、機動力……などの項目があり、各項目に点数をつけることがあります。

こんな戦力分析を個人でもやってみませんか、という提案です。
人生を良きものにするために、どんな項目ありますか。
お金とか、友人関係……とか、あなたが大切だと思うものを書き出してください。
この項目設定ですでに個性が出ます。(むしろ個性を発揮してください)
次に、それぞれの項目は10点満点中何点でしょうか。
目先のことばかりに気をとられてしまいがちなところで、全体的な分析から入ることはとても有効です。
個人のバランスシートを作る
社長の会社では毎年決算書が作成されているはずです。
その決算書の中には『バランスシート』(貸借貸借表)があります。
左側に資産、右側に負債が載っていて、資産から負債を引いたものが実質的な資産(=純資産)です。
こんなバランスシートを、個人名義の資産と負債で作成してみましょう。
改めて資産と負債を整理してみることで、見えてくることがあるかもしれません。

退職金はとれるか?
あなたが社長を辞めたとき、退職金はもらえるでしょうか。
もらえるとして、それはいくらでしょうか。
社長の退職金は会社に余力が無ければ払えません。
いくら退職金規定を作ろうが、無い袖は振れないのです。
「会社の資産と負債のバランスを考慮し、どれくらい退職金がとれるか?」見繕ってみましょう。
引退後の個人資産に大きな影響を与えることになる点です。
自宅は大丈夫?
言うまでもなく自宅は生活の根として大切です。
自宅の保全に危険がないかもチェックしてみましょう。
たとえば、高齢者になると賃貸住宅を借りにくくなるという話があります。
また、中小企業の社長の場合、会社の借金の連帯保証という危険もありがちです
会社で返済ができなくなると、社長の自宅を競売にかけられてしまうことがあるからです。
「自分が暮らすところを今後も確保できるか」という視点で、自宅のことを見つめてみてください。
健康面は大丈夫か?
健康の大切さは言わずもがな。
社長業を続けるためには健康が最も重要です。
生活費の収支を把握できているか?
生活費の収入と支出は合っているでしょうか。
社長の場合、会社と財布が混ざっているケースもあり、お金の出入りがあやふやになっていることがよくあります。
いずれ引退という状況まで視野に入れるのであれば、収入と支出の管理はしておきたいところです。
相続が起きたら? (会社・個人)
もし社長のあなたに万が一のことが起きたらどうなるか。
この機会にシミュレーションしておくことは、よいことでしょう。
実際、在任中の社長がお亡くなりになるケースは少なくありません。
会社に起きることと、個人の相続に起きることを分けて考えてみましょう。
会社編
社長が亡くなっても会社は存続しています。
しかし、キーマンたる社長がいなくなることで、会社の機能がマヒしてしまうのは、ある意味で当然だったりします。
たとえば、取引先への買掛金が支払いえなくなったり、とか。
いざというときのため社長に生命保険をかけていたのに、その受け取りができないケースもありました。
急に社長がいなくなったとき、会社に何が起きるのか。
ぜひシミュレーションしてみてください。
社長が亡くなったとき会社に起きることの例
- 銀行の振り込みや引き出しができなくなってしまう
- 次の社長がいないため、一切の手続きができなくなる
- 経営がわからない人が無理に社長にされて苦しませてしまう
- 取引先や顧客から関係を切られてしまう
- 亡社長しかわからないところで仕事が止まってしまう・・・
個人の相続編
人が亡くなれば相続の問題が起きます。
社長だって同様です。
届けたい相手に問題なく財産を渡すことはできますか。
相続人間での話し合いにまかせると、遺された人たちが苦労しがちです。
また、会社の株式がスムーズに相続されるかも、社長の相続の場合は重要なポイントになります。
税金の問題もハードルが高くなるかもしれません。
相続税はどれくらいかかり、納税はできるでしょうか。
このあたりもチェックしてしかるべきでしょう。
個人の相続で起きることの例
- 遺産分けの話し合いで遺族の関係性が悪くなる
- 相続税が高くなる
- 相続税を納める資金がない
- 株式が共有になってしまって決議の合意ができない
- 会社の株式評価が高くなってしまう・・・
TODOリスト作成
ぜひとも一度メスを入れていただきたいポイントを紹介させていただきました。
社長の置かれている状況の把握につながったことと思います。
ここで一喜一憂だけしておわらせてはいけません。
社長の定年チェックは、行動につなげていただくための機会です。
起きうる問題に対処し、未来をより良くしていただくことに意味があります。
ここまでで気づいた不安や心配ごとは何か。
そのためにどんな行動をするか。
リストアップしてみましょう。
社長の定年チェックで問題解決
社長の定年チェックにお付き合いいただきありがとうございました。
「自分で気づいていない問題がありそうで不安だ」
「問題は見えているが、どう解決していいかわからない」
こんなケースは、奥村までお声がけいただければお手伝いさせていただきます。
お気軽にお問合せください。