「最期の言葉が暗証番号!?」
病に倒れ、突然危篤となってしまった社長。
しかし、通帳の場所をはじめお金のことは社長しか分からない。
病室で銀行通帳のありかや暗証番号をなんとか聞き出そうと焦る家族。
そんなことより社長は、感謝や想いを託す言葉を伝えたいのだが・・・
「生涯現役で社長業を続けよう!」と思うのならば、考えてもらいたいことがあります。
生涯現役を目指すならば、社長の死亡問題を最初にケア
成り行き任せで社長を続けているたら、最期の別れが冒頭のようなシチュエーションになってしまう可能性があります。
家族や会社の人間は『その後』がどうしても気になってしまうためです。
とても寂しい気がします。
それでも事務連絡ができればマシかもしれません。
現実には、重要な情報を共有できず、引継ぎもできないまま、社長が亡くなってしまったケースも山のようにあるのですから・・・
社長の急死をきっかけに起きた問題に対する相談が、私のもとに頻繁に届いています。
社長の死が、会社に関係する人と家族を不幸の沼に引きずり込むことがあるのです。
中小企業にとって社長の死亡ほど重大かつ危険な出来事はありません。
生涯現役を目指すならば、自らが倒れたときの準備をしておく
自らケジメをつけて、会社から去る社長がいます。
世の中全体としても、こちらのタイプを推奨する傾向が強くなっています。
しかし、「死ぬまで社長でいたい。社長として死にたい」という人もいます。
私としては、このような生き様を否定はしません。
あくまで人それぞれ。
ご本人が納得できるかたちを選べばいいと考えています。
ただし、生涯社長でいることと、何も対策や準備をしないということはまったく別の話です。
自ら社長を辞めないのであれば、問題が生じるリスクはより高まります。
その典型が、社長が倒れてしまったときに生じる問題です。
社長をやめないことを、準備や対策をしないことの言い訳にしてはいけません。
社長の死亡に起因するトラブルの一例
社長が倒れたときに起きがちなトラブルの例を見てみましょう。
お金を払えなくなった
社長が会計業務を社長が一人で担っていたので、他の人には暗証番号もカードの場所も分からない。
こうなると、社長が倒れたらお金を支払うことができません。
給料を支払ってもらえない従業員から「助けてほしい」と連絡が来ることはよくあります。
仕入れ先の買掛金が払えず、その場で倒産してしまったケースもありました。
家族に会社の借金を背負わせてしまった
社長は銀行からの会社の借金を連帯保証していることが普通です。
そして、連帯保証は相続の対象です。
亡くなった社長を家族が普通に相続すれば、連帯保証の義務も引き継いでしまいます。
後になってから「やっぱり相続しません」と撤回することはできません。
会社で借金を返済できないときは、相続人が債権者から追及を受けます。
親や配偶者を相続した家族が、このリスクに気づかないで個人保証を相続してしまったことがあります。
そのために会社に何の関係のなかった子供たちが破産をする羽目になりました。
生命保険がおりない
大株主だった社長の死亡により、株主が不在になったり、議決権を行使できなくなる場面があります。
こうなると手続きが滞ります。
たとえば、銀行の借り換えの手続きができなくなり資金ショートが起きる可能性もあるでしょう。
次の代表者に変更する登記ができなくなって、あてにしていた生命保険の死亡保険金を払ってもらえないケースも過去にありました。
代表者の登記が変更できなかったため、死亡保険金の請求を保険会社が認めてくれなかったのです。
後継者が会社を引き継げない
何の手も打っていなかったため、社長の急逝時に後継者となるべき者に株式が渡らなかったケースがありました。
後継者候補には、会社を引き継ぐ権限がありません。
いくら「社長は生前にお前に会社を継がせると言っていた」と主張しても後の祭りです。
担ぎ上げられた社長の妻が途方にくれる
社長の妻などが、周囲からの要請で社長にかつぎ出されて、苦しめられることになるパターンもありがちです。
「私たちが支えますから大丈夫です。社長をやってください」と社員から言われました。
また、亡くなった社長の奥さんも、会社に責任を感じています。
そのため思い切って社長になることを決めました。
しかし、フタを開ければ社員は奥さんの言うことは全然聞かない。
また、奥さんは経営を全然わからない。
しかし、借金も負ってしまっているし、いまさら引きことはもうできない。
悔やんでもどうにもならない状況で、途方にくれることになったケースも・・・
相続トラブルが発生した
社長が亡くなったときには相続税が課されることがあります。
何の準備もしていないと、相続税の税額は大きいが、それを支払うためのお金がない、なんてことになりかねません。
また、相続財産の分け方をめぐって、相続人間で紛争が起きることも多々あります。
オーナー経営者ための生涯現役コンサルティング
事業承継デザイナーの奥村は、社長の急死時への対策として、オーナー社長のための『生涯現役コンサルティング』を提供しています。
事前に起こりうる状況を想定し、しっかり対策を立ててくことで、上記のような社長の死去によって起きる損害を回避させます。
会社の中核をになう社長といえど一人の人間である以上、必ずいつかそのときがやってきます。
生涯現役の社長であれば、在任中の死亡は100%起きることを意味します。
会社の要である社長がいなくなることによる損害の大きさは計り知れません。
しかし、実際に対策をしている会社はほとんどないのが実情です。
会社を支援する者からこのような提案がなされることも少ないのでしょう。
あったとしても、生命保険への加入レベルだったり、税金対策どまりだったりするようです。
「自分の万が一のとき、会社が潰れたり、後継者や家族をトラブルに巻き込みたくない」とお考えでしたら、『生涯現役コンサルティング』を検討してみてください。
やるべきことをやっておけば、ご自身も気持ちよく仕事に打ち込むことができます。
コンサルティングの流れ
①問合せ・面談
まずは個別相談で会社の状況と、疑問や不安をお聞かせください。
社長の急死対策コンサルティングが有効なときは、その活用をご提案いたします。
②状況のリサーチ
お聴き取りと資料から状況をリサーチし、対策内容を練り込みます。
③提案
対策内容と総費用の提案を社長に行います。
内容的に問題や不足がなければ最終段階に進みます。
④実行
公正証書遺言の作製など必要な法的ツールへの落とし込み等を行います。
また、いざというときのスムーズな対処ができりょう「引継ぎメモ」も作成します。
⑤アフターフォロー
ご希望があれば、低額の顧問契約等で経過観察とメンテナンスを行います。
また、社長に万が一が起きてしまったときに、会社やご家族への指示等を担うことも可能です。
コンサルティング利用のご予算
コンサルティング料は、会社の状況やボリューム、取り組み内容などによって大きく異なります。
ある程度調査や検討が進んだ段階でなければ見積もれません。
コンサルティング計画の提案時に予算も提示するので、その内容を見て依頼の可否を決めてください。
なお、総資産の1%がコンサルティング料のおよその目途となります。
おわりに:「対策があるから大丈夫だ!」と胸を張りませんか?
誰であれ死から逃れることはできません。
会社であったり家族の生活であったりと、社長の場合、失敗によって失うものが本当に大きくなります。
リスクをコントロールしておく価値は十分あるのではないでしょうか。
家族や社員が「社長の万が一の時どうなるのか?」と、ひそかに不安を抱えている場合があります。
「やるべきことはやってあるから安心しろ」と、社長が堂々と胸を張っていただけることを願っています。
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