会社分割や事業譲渡で会社を分けたいとき
兄弟で経営してきたが、それぞれ別の道を歩みたくなったとき、
一部の事業を手元に残して、残りの事業を売却したいとき、
複数の事業を同じ会社内で展開したため、整理が必要になったとき・・・
会社を分けることで、道が拓けることがあります。
分社というものは、ただ会社を切り分けることです。
きわめてシンプルな方向性ですが、使い方によってはものすごい大きな効果を生み出すのです。
分社は、あなたが思うよりもずっとむずかしい・・・
分社は概念としてはシンプルですが、いざやろうとすると数々のハードルがあります。
よく「結婚は簡単だけど、離婚をするのはすごく大変」なんて経験者のコメントを聞くことがありますね。
分社にも似たような意味あいがあるのかもしれません。
会社分割か事業譲渡か? 手法の選択がむずかしい
一般的に分社には「会社分割」か「事業譲渡」という手法を利用します。
どちらを使うかで、費用や税金、手間、法的リスク…が変わってしまいます。
また、これらのツールをいかに使うかも、状況に合わせて熟慮しなければなりません。
(たとえば会社分割の場合、どの事業を新会社にするか、新会社の株式は誰に渡すかなど)
ヘタをしたら、手法の選択ミスで、会社がダメになってしまうこともあります。
人体にたとえたら、分社は手術です。
失敗は死に直結してしまうこともあるのです。
どの道具を選択し、どのように使うか?
全体を見回して、ふさわしい方法を導き出さなければいけません。
やることやスケジュールなど、企画作りがむずかしい
分社を進めていくために、どんな行動をとらなければいけないか。
必要な行動の洗い出しが必要になります。
スケジュールだって組まなければいけません。
これを自分でできるでしょうか?
人を雇うにしても、適任者はいるでしょうか。
たとえば、新会社の銀行口座はどうなりますか?
いつ、どうやって手続きをすべきでしょうか?
こんな風に、作業を進めていくうえで出会う問いに、自分たちなりに答えを出して進めなければなりません。
本などで学んだところで知り得ない現場のポイントが、たくさんあるのです。
顧客や銀行などの関係者から同意を得るのがむずかしい
会社を分社するとなると、会社にお金を貸している銀行にも大きな影響が出ます。
顧客だって、従業員にだって影響があるのです。
関係者にどのように説明し、いかに同意を得ればいいのか。
もしくは、同意が得られない場合にどう対処するか。
会社には利害に関係する存在が多いため、分社には相当の気を遣わなければならなくなります。
何を持ち出すかの仕分けがむずかしい
会社分割などでは、資産、負債、契約等を切り分けることになります。
新会社に引き継がせる資産等を決めて、逆に引き継がせないものは旧会社に残ります。
この采配も簡単ではありません。
分社の目的やビジネスの状況から、妥当な線引きを行いたいところ。
しかし、当事者には利害がからみ、感情的な衝突が起きがちです。
損はしたくないという気持ちになりますし、過去のいざこざが顔を出すこともあります。
専門分野を横断するところがむずかしい
結局、会社を分けると言うことは、経営が関係するすべての分野に話が及ぶことを意味します。
ただ書類をまとめて登記を法務局に出せばいい、ということではないのです。
法律手続きはもとより、財務、税金、人事、知財、不動産・・・と各専門分野が関連します。
そしてなにより、経営的な視点を欠いては、とんでもない結末になりかねません。
しかし経験がない場合、視野を広く全体像を見ることは、きわめて難しいと言わざるを得ません。
会社分割などを使った分社をコンサルティングします
分社は活用次第では、経営状況の整理やM&A、事業承継において大きな価値を発揮します。
しかし、それを満足に手掛けられる人材はそう多くないと言っても過言ではないでしょう。
また、大規模な会計事務所や弁護士事務、銀行、証券会社に依頼したら、最低でも数百万の報酬が必要になるケースもあります。
小さな会社の分社において、現場のニーズに合わせ、かつ、手ごろな費用で分社を提案し、実施に向けたコーディネートまでしてくれる専門家をお探しであれば、私がきっと適任です。
会社分割の支援事例
イメージをお伝えするため、過去に扱った、会社分割を使った分社支援の一例をご紹介してみましょう。
【支援事例】
A社では、父親(会長)と息子(社長)が同じ社内にいましたが、実は、折り合いはあまりよくありません。
過去に息子は独自で新事業を立ち上げ、軌道にのせています。
そのため社内には、父親の旧事業と息子の新事業が併存している状況でした。
父親は、70歳代後半にさしかかり、いいかげん事業承継について決めなければいけないという空気になりました。
しかし、家族で話し合いをしようにも上手くいきません。
お互いはすぐに感情的になるし、そもそも、どんな方法があるのか、何から決めていけばいいのかもわからなかったのです。
そんなとき、相談を持ち掛けられた顧問税理士の先生が、奥村を推薦してくれました。
私は、父親と息子、それに母親や兄弟から話を聞くことからスタートしました。
当事者の希望を引き出し、会社の内部状況を分析しました。
息子は「自分で立ち上げた事業だけを経営したく、父親のやっている旧事業については責任を負いたくない」と言うことです。
実際、父親の旧事業については、子供たちを含め、経営を担えそうな人材がいなかったのも事実です。
それから、私は次のような企画を立てて、提案しました。
「会社分割を使って、父親の事業と息子の事業を別会社にすること」
「父親の事業については、後継者がいなくなるため、将来はM&Aも視野にいれること」
提案に対して社長の家族から賛同を得られたので、その後は、必要なタスクの洗い出しやスケジュール組みをしました。
また、企画を実行するため、金融機関への説明会に参加したり、社内の経理・総務担当者へのレクチャーなども行いました。
登記もおわり、今では二つの事業はそれぞれ別々の会社として無事に機能しています。
依頼条件
ご依頼をお受けする条件については、会社の規模等の状況や提案内容、必要期間等によって大きく異なります。
過去の弊社の報酬例では、最低の30万円から最高の150万円くらいの幅がありました。
さらに、実施には税理士等の報酬や、不動産登記等の別の費用が掛かる場合があります。
いずれにせよ、ある程度踏み込ませていただき、「何を、どうするか?」まで見えなければ見積りができません。
見積りと企画の提案までは無料ですので、まずは思い切って相談をお寄せください。
私からの提案内容を見て、依頼を取りやめていただいてもかまいません。
おわりに
分社のコンサルティングと実施のコーディネートは、高度なスキルと現場経験が求められると思います。
奥村は、ずっと前から会社分割の可能性に目をつけ、いくつもの手術を執刀してまいりました。
しかも、専門分野にこだわることなく、プロジェクト全体のマネージャーという立場でかかわっています。
ここまで多く、深く、場数を踏んできた人間はまずいないと自負するところです。
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