ある中小企業の経営者は、金庫に10億円以上の札束をつみあげていた。
同じ敷地にある工場と自宅は4億円の価値があった。
しかし2度にわたる身内の不祥事を経て、すべてあっけなく飛んで消えた。
私の祖父の話だ。
戦後、何もないところから事業を成功させた祖父は、小さな私のヒーローだった。
しかし、終え方、身の引き方を誤った。
いや、ちょっとニュアンスが違う。
出処進退において、成り行き任せの不作為な姿勢をとったのだった。
宙ぶらりにさせておいても、なし崩し的にやり過ごせると思ったのかもしれない。
しかし、中途半端さは弱点を生み、そこに付け込まれてすべてがはじけ飛んだ。
2度目の不祥事のとき、私は現場に入って沈静化のための指揮をさせられた。
反社勢力が入り乱れる状況は、まっとうな法律論ではどうにもできない戦場だった。
事件の原因を作った者たちへの怒りをいつも腹の底に抱えながら、不本意ながら奴らのしりぬぐいをした。
人生の最終盤で、世界をひっくりかえさせられた祖父を哀れんだ。
ちゃんと終わるまで何が起きるか分からない。
うまく終わらせるためには、備えと戦略が必要だ。
望まない経験から突き付けられた教訓である。
中小企業の社長に対して私は、同士という感覚を持っている。
家業を営んでいた祖父の影響であり、また自らも事業主の端くれでもあるためだろう。
社長には、最後のときは社長という役目をうまく終えてほしいと願う。
会社を次の者に譲ったり、外部に売ったり、たたんだり、さらには自らが亡くなることで、社長を終えることになる。
いつかかならず通る道だが、これが苦しく、難しい。
したたかにやらなければならない。
そのための作戦を社長に献じることを、私は仕事にした。
事業承継デザイナー/司法書士
奥村聡
事業承継デザイナー奥村聡

奥村 聡 (おくむら・さとし)
事業承継デザイナー/司法書士
ひょうごエンジン株式会社代表取締役/合同会社会社の後見人代表
兵庫県神戸市在住
反社会勢力まで入り乱れた事件により突然倒産した祖父の家業。鎮静化のために奔走しつつ、引退間際に金も自宅も会社も失った惨状から“おわりの場面”の失敗がゆるされないことを痛感。以後、廃業や事業承継、M&Aといった会社の最終局面の支援を志す。
着地に悩む中小企業へ提供したコンサルティング実績は1000社以上におよぶ。法律やお金の知恵と交渉スキルで出口を切り拓いてきた。顧客は北海道から沖縄まで、超優良企業から積み重なった借金に苦しむ会社、家族経営から従業員500人を超える企業、さらに有名な老舗企業と幅広い。
近年は、「社長の心理整理」と「おわりを見越した戦略的準備」の重要性に着目。社長人生を納得のエンディングで締めくくってもらうため、会員制度の運営や社長の人生設計のための講習会に注力している。
NHKスペシャル『大廃業時代』では、おわりに寄り添う“会社のおくりびと”としてその仕事ぶりを取り上げられた。著書に『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?(翔泳社)』『0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円 (光文社新書)』等。

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他にはない生きた情報、数多の支援実績から得られた知恵をお届けしています。

奥村の事業継承・廃業支援の特徴
よくあるケースで、税理士の得意分野で「事業承継」とアピールしていることがあります。
でも一般に方には、何をしてくれるのかよくわかりませんね。
おそらくこの税理士さんは、株価の評価や株式を後継者に引継ぐ際の税務対策が得意だと言いたいのだと思います。
一方の事業承継デザイナーの奥村も事業承継を得意としていますが、それは総合的な企画づくりという意味になります。
社長がどうしたいのか、何が不安なのかを引き出しながら、方針決定のための意思決定ためのガイドからはじまります。
会社の実情や経営環境、人間関係等を踏まえて事業継承の企画を立てます。
その中には経営、税金や法律などの問題対応も含まれていて、様々な技を活用して課題解決を行います。
部分ではなく、あくまで全体に気を配りながら、より良い手を打つことを心がけています。
支援するのは事業継承だけではありません。
M&Aのように外部に会社を引継がせるケースもあれば、会社を廃業でたたむケースもあります。
ときには社長の相続対策であったり、起きてしまった相続の対処を指揮することまであります。
これは支援目的を「安心、納得で、社長を辞められるようにすること」としているためです。
みなさん会社に目を奪われますが、会社を継がせることも、たたむことも、「社長が会社を辞める」ことも意味しています。
そして奥村は、個人としての社長の人生をより良きものにしてもらいたいという動機で仕事をしています。
事業継承や廃業のど真ん中に立って策を練る点。
深く踏み込み、ひたすらその範疇の仕事ばかりを受け持っている点。
社内の継承から外部への売却、廃業まで手掛ける点。
そして、顧客には財務内容がものすごくいい会社から、過大な借金を抱える会社までいる点。
このあたりが奥村だけの特徴です。
①現場力・提案力
これまでの場数と、案件の本質的理解による提案力や判断力を自負しています。
たとえば、事業承継の事前取組として会社を分けることがあったとしましょう。
そのとき銀行や顧客、従業員に「いつ、どのように伝えるか?」という問題が出てきたとします。
この手の問題には、いつでもどこでも通用するような答えはありません。
しかも、下手を打てば大きな損害を生みかねません。
奥村はこんな答えのないところに答えを出してきました。
②コミュニケーションへの踏み込み
事業承継や相続などでは、法律や税金のテクニックの話が先行しがちです。
でも私は、お客さんの感情やお客さんと私の関係性をより重視します。
人の心を大切にすることが、遠回りのようで、結果的に良い仕事をすることにつながるためです。
そのため仕事をはじめるまえに関係者と丁寧に面談をさせてもらうこともあります。
家族会議や利害が対立しかねない相手との話し合いに同席させてもらうことも多々あります。
③事業承継全体への視点
事業承継は、会社の経営や人事、後継者育成、財務や借金、マーケティング、М&Aなど様々な分野に関連します。
社長個人としても相続や家族の問題、個人資産、連帯保証、相続税などの問題が関わります。
これに対し、一般的な事業承継の専門家を自称する人間でも、自分が得意とする狭い範囲の専門分野しか支援していない(できない)のが現実でしょう。
一方、奥村の場合は、社長のおわりをよりよいものにするため、全体に気を配って寄り添います。
④法的ツールの活用
法律職出身のコンサルタントのため、遺言など、相続の場面で活躍する法的ツールを活用してきました。
また、債務整理や破産、会社の再生に携わってきたため、借金や連帯保証に対するツールも使います。
会社分割や事業譲渡等の会社再編ツールも駆使できます。
社長のおわりや事業承継の場面で出口を切り拓くための必要な手口を取り揃えていることを意味します。
⑤柔軟性
案件を成功させるために、柔らかい頭で、柔軟に対応することを大切にしています。
杓子定規の対応はしません。
仕事のやり方や、どこまでを自分の仕事の責任範囲とするか…
フィーをどのようにいただくか…
現実は制限が多く、難しい状況ばかりです。
お客さんに本当の価値を提供するため、自らを変化させることはためらいません。
奥村が支援できること
●会社を継がせる、たたむ、売るに関する思考整理と決断支援
●事業継承を成功させるための指導・企画立案
●会社を売却するための事前準備から実行支援
●無事に廃業を実現するための作戦立案
●資金繰りや経営、資産保全の相談
●社長の相続における対策や手続き指導
●会社を分割するためのコーディネート
神戸・大阪、東京を中心に全国対応させていただいております
奥村は神戸でくらしていますが、沖縄から北海道まで日本全国からご相談、ご依頼をいただいております。
全体の割合は、関東5、関西3、その他(北海道、東北、中国、四国、九州)1というところです。
テレビで奥村を知った方、本を手に取ってくださった方、そしてネット検索でこのページにたどり着いた方などから申込を頂きます。
遠方の場合は、仕事のクオリティが下がることを心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際はほぼ不便なくお仕事ができているはずです。
コストの増加も、そんなにはございません。
距離のことは気にせずお声がけいただければ幸いです。
神戸の拠点について
大阪や神戸をはじめとする関西のご相談やお仕事については、原則、拠点である『グッドミーティング神戸六甲』にて承っています。
阪急六甲駅が最寄となります。
→『グッドミーティング神戸六甲』について
奥村聡の取り組み

事業承継デザイナーの奥村聡は、社長の着地を成功させるとともに、社会課題の改善・解決のために5つの取り組みをしています。

TV・ラジオ・メディア出演

NHKスペシャル「大廃業時代~会社を看取(みと)るおくりびと~」に出演しました
NHK様より依頼を受けて出演しました。
実際のクライアント様が奥村に相談し、廃業に着地するまでを密着取材のドキュメンタリー形式で放送されました。
→NHKオンデマンドで視聴する
講演&イベント情報

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著書のご紹介

廃業コーディネーターゼミ
資格業の方や、小さな会社へのコンサルティング業務に従事されている方、廃業や事業承継支援をはじめたい方向けの事業承継やM&Aも含めた中小企業の出口戦略全般に関わるスキルとマインドを身に着けることを目的とします。
継業スクール
第三者の個人でも会社を買って経営ができるようになるための、基礎力を養う継業スクールを企画開催してます。
すでに会社の後継者として内定している方の経営の勉強の場としても大変有効だと自負しています。

「着地戦略会」
『納得の社長人生を過ごし、着地までしっかり成功さる』
そんな社長と支援者のための会員制度を立ち上げることにしました。

おまけの情報
奥村聡の横顔
埼玉県川越市生まれ。
埼玉と大阪・兵庫の間で何度か引っ越しを繰り返してきました。
現在は神戸市東灘区に家族と暮らしています。
昭和歌謡と甘いものを好み、仕事に飽きるとすぐカフェに逃避する癖があります。

奥村へのご連絡は、リンク先のフォームをご利用ください。
→問合せフォーム