従業員の退職・解雇は、廃業の最大のヤマ場
会社の廃業を決断したら、後はその決意を実行に移す段階に進みます。
廃業実行の最大のヤマ場は、どこにあるのでしょうか?
社長さんの様子を見るに、それは従業員に会社をやめさせるときのようです。
廃業の決断をはじめて従業員に伝えることが、とくに苦しいご様子です。
当然と言えば、当然です。
従業員とは、これまでともに仕事をしてきた間柄です。
きっと社長は「会社のためにがんばろう」と、ときに叱り、ときに励ましてきたのでしょう。
ところが廃業となれば、態度を豹変させて、従業員をやめさせなければいけません。
社長としては、従業員を裏切るような気持ちになってしまうこともあります。
また、雇用を奪うとちうコトの重大さに、社長は大きな罪悪感とストレスを抱えてしまいます。
しかし、だからといって、廃業を避けることもできるわけではなく・・・
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廃業にかかわる従業員の退職・解雇の問題点
こんな廃業に係わる従業員の退職・解雇問題はいかにすれば上手くクリアできるのでしょうか。
問題の正体を見てから、対策を考えて見ましょう。
【問題①】心理的な重圧・ストレス
1つめに、心理的なストレスと重圧に耐えることができるのか、という問題があります。
従業員をやめさせるには、大きな心理的な重圧がかかり、社長はストレスを抱えることになります。
しかし、ここでストレスに負けてやすきに流れてしまってはなりません。
廃業は取りやめて、事業を継続したほうが気持ちは楽でしょう。
しかし、それは問題を先送りするだけで、先送りされた問題はより凶悪なものに成長することになります。
【問題②】従業員から反撃をされるリスク
従業員に退職の同意をしてもらえるのか。
もし、ここで失敗をして対立構造に陥ると、事態は混乱に陥り、従業員が社長を攻撃してくるリスクがあります。
労働基準監督署や労働組合のようなものに駆け込まれて、タフな交渉を迫られるかもしれません。
過去には、社長個人に対して嫌がらせがなされたケースもありました。
「1カ月前に予告をすればいい」とあまく考え、単純に解雇をすればいいという問題ではないと私は考えます。
【問題③】最後までしっかり営業する義務
廃業を決断したからといって、即、会社を閉じられるわけではありません。
最期のときまでしっかり営業をして、顧客等への義務を果たさなければならないのです。
「従業員に廃業をする旨を伝えたら、翌日から出勤しなくなった」なんてこともありました。
こんなことになってしまったら仕事が回らなくなってしまいます。
もちろん、顧客等に対する義務違反につながります。
廃業の「従業員の退職問題」をクリアする方法
上記の問題点をクリアするには、従業員サイドにも、決断を受け入れてもらい、最期まで同じ方向をむいて進んでもらう必要があります。
そのためには、相手の感情や、メリットデメリットの調整が必要になります。
解雇ではなく、退職への同意を取り付ける必要もあるでしょう。
では、どうするか。
たよれる専門家を雇うことが、最良の選択肢になると考えます。
社長に対する心理ケア。
客観的な立場からの説明や提案。
退職を進めるための企画やスケジュール作り等。
第三者の専門家だからできる、重要なことがあります。
たとえば私ならば、廃業の決断を受け入れてもらうために、社長の苦しみを従業員に語ることもあります。
こんなものも、第三者の私が語るから効果ががあるのです。
それを社長が自分で、「私も苦労してまして…」と語ったところで、心を閉ざした従業員の耳には入りません。
支援について
事業承継デザイナーの奥村は、廃業支援に付随して、従業員の退職推進にも寄与します。
たとえば、廃業の決断を伝える従業員集会を企画し、立ち会うこともあります。
気持ちよく辞めていただくための企画を立案します。
従業員からの反発やクレームに対する対応方法をご指導出せていただくこともあります。
支援の条件
ただし、従業員をやめさせることを目的とした依頼は受託できません。
あくまで「廃業の全体の企画実行」を目的とした依頼を受託した場合に、その役割の一部として、この従業員の退職問題の解決に関与します。
また、経営者側の一方的な利益向上のためには動けません。
社長と従業員の間で、双方が納得できる落としどころを調整するための役割です。
廃業全体の企画実行支援については、期間が6カ月から1年、月額報酬は8万円から15万円といったところが標準です。
支援方法と見積りの提案までは無料です。
お気軽にご相談ください。
おわりに
「奥村さんがいてくれて本当によかった。15人対1人では不安だし、心細かったし・・・」
従業員が15人いた会社で、廃業を伝える集会が終わった後に、社長が私にもらしたコメントです。
たしかに、従業員をやめさせるとなると、相手は多数で、こちらは一人っきりという事態になりかねません。
孤立してしまうし、それは心細いことでしょう。
こんな状況下で一緒に歩んでくれる人間がいるかいないかの差は、とても大きいはずです。
廃業に向けて共に歩む参謀が欲しい方は、ぜひお声がけください。
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