こんにちは、事業承継デザイナーの奥村聡です。
先週、小さな会社向けのコンサルティングサービスを納品しました。
きっかけは、神戸市内の会社の社長が私のことを調べて連絡をくださったことです。
社長に先立たれたときの妻の不安
社長の不安やニーズはこのようなものでした。
「私は小さな会社をやっているけれど、後継者がいない。
もし自分が死んだら会社はどうなるのか?
また、これ以上負債が増えたときに、自宅を失うことになるのも避けたい。
こんなことを妻が不安がっているので、何か備えをしてもらいたい」
話をお聞きしながら、僕は良い意味で衝撃を受けました。
ずっと訴えてきたテーマであり、なかなか伝わらなかったことです。
よくぞそこに気づいてくださいました。
社長の死亡により引き起こされている悲劇
後継者が社長が亡くなったことで、会社が大混乱に陥るケースは頻繁に起きています。
なかにはそのまま潰れるケースもあります。
経営のことを知らない奥さんに、会社のすべてを担わせて忙殺させることになったり。
社長の不存在で支払いや契約関係のことができなくなったりと。
また、亡くなった社長は会社の借金の個人保証をしています。
それを相続人たる家族が引継いでしまうこともあります。
借金の返済が会社でできなくならば、破産をしなければいけないかもしれません。
当然、自宅も残せなくなっている可能性が多いでしょう。
社長の死亡は、会社にとっても、家族にとっても重大な問題を引き起こします。
なのに、それにまったく備えていないケースばかりです。
いつか必ず起こる出来事でもあるのですが……
僕は、この問題をどうにかしたいと、ずっと願っていました。
なので、社長さんから相談を受けた時は、思わずうれしくなってしまった次第です。
低コストで最悪を回避する
僕は社長さんに、あるオリジナル商品を提案しました。
社長さんに万が一があったときに備えるコンサルティングです。
「法的技法などを使って、想定される状況に対処できるようにしておくこと」
「万が一のときにどうするかのシナリオを用意しておくこと」
この2点が柱です。
災害時にどうするかをあらかじめ想定する『危機管理マニュアル』がありますが、後者はそれの社長の死亡版をイメージしてください。
商品名は、「社長の死亡リスクにそなえる『お守りコンサルティング』」としています。
このお守りコンサルティングのポイントは3点です。
①低コストで、②最低限、③柔軟に、です。
本格的な事業承継や相続の取り組みとなれば、本当にいろいろなことを検討して取り組んでいかなければなりません。
しかし、このサービスはその手前の状況を想定しています。
「致命傷だけは防ぐ」という感覚で、最低限のところだけを安くケアしておこうという発想です。
また、将来的に状況が変わることも十分想定しています。
「将来は状況が変るかもしれないから、まだ事業承継のことに取り組めない」なんて声は、現場で頻繁に聞かれます。
会社の後継者にしようと思っていた人間に継がせられなくなることも、よくありますからね。
お守りコンサルティンでは、そんな将来の状況変化が起きることも当然なこととして設計します。
見たくない現実を見られるか?
社長さんに、この商品をご提案したところ
「まさに、そういう内容の手立てが欲しかった」
と喜んでいただけました。
不安に思っていた奥様にも「ちゃんと手を打てたからもう大丈夫!」と、いい顔をすることができたそうです(笑)
それにしても、今回の社長さんは立派です。
自ら取組の必要性を認識し、僕のところへアプローチしてきてくださいました。
大きな拍手を送りたいですね。
「そんなの普通のことじゃない?」って思われるかもしれませんが、いやいや、とんでもございません。
めんどくさそうなことは、後回ししたくなるのが人間です。
自分が亡くなったときの話となれば、よりその傾向は強まるでしょう。
また、そういった問題が将来に横たわっているのに、見ようとしない人はたくさんいます。
「都合の悪いことは起こらない」と、根拠のない希望的観測をしたり……
人は、見たくない現実を見ようとしません。
(僕も、その一人です)
でも、見たくないものを見られるかで、大きく事態は変わっていくのでしょう。
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