カウントしてみたら、通算相談件数が1000件を超えていました。
実にあっさりと。
今思えば、もっとカウントダウンを盛り上げてもよかったかと・・・
もともと僕は司法書士でした。
しかし事務所は他者に譲渡しました。
そして「経営コンサルティングの仕事やる!」と決めました。
今から10年ちょっと前くらいのことでしょう。
でも、何をしたらいいのかわかりません。
僕にはどんな支援ができるのか。
そして、会社や社長は何を悩んでいて、何を求めているのか。
あれこれ頭の中だけで考えていても仕方ないので、とにかく現場に行って社長の話を聞くことにしました。
こうして「ひたすら相談を受けて方策を考える」という旅が始まりました。
旅の途中で「社長に良きおわりを届ける」という支援軸も見つかりました。
まずは100件。
それを達したとき、次はなんとなく1000件だと思っていました。
弁慶の1000本刀のようなイメージですね。
旅をはじめた当初は、それこそ無理をして相談を取りに行きました。
声さえかかれば、北海道から沖縄の離島まで行きました。
労力や交通費を考えたら大赤字なんてケースは日常茶飯事です。
相談料無料、交通費自己負担で相談依頼を受けていたときだってありましたから。
こうして積まれた僕のコンサルタントとしてのキャリアで面白いのは、とにかく幅が広いことではないでしょうか。
たとえば事業承継の税金対策をする税理士さんならば、お客さんは一定以上の株価になっている会社に偏るでしょう。
でも僕の場合、超優良企業から過大な借金で潰れかけの会社もあれば、家族経営から従業員500人を超える企業もあり、スタートしたばかりの会社も100年以上続く有名な老舗企業もありました。
会社を廃業させた人もいれば、子供等に継がせた人も、他社に売却した人もいます。
在任中に社長が亡くなったときの緊急対応をしたこともあれば、これから起きるかもしれない相続対策を手掛けたともあります。
傾いた経営を立て直したり、社長の子供の教育や離婚の相談に取ったり、メンタルをやられてしまった社長のフォローをしたり……支援テーマが相談時と別の方向に進んだこともたくさんありました。
999本で記録が止まった弁慶と異なり、10年以上かけて1000件という数字を達成できました。
いま思えばよく続けたものです。
「社長や会社のことを知る」という当初の目的はずっと前に果たせています。
そろそろ新しい旅に出るタイミングなのでしょう。
がむしゃらに相談を受ける時代はこれくらいにしておきます。
次の仕事のスタイルを探します。
なので最近は、周囲の知人をつかまえては「こんなことしようか?」「あんなことできない?」とおしゃべりをしています。
不幸にも僕につかまってしまった方は、話し相手になってくださいね。