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書き続ける、ということ

皆様、本年もよろしくお願い申し上げます。

昨年12月は、ほとんど記事をアップできませんでした。

そうなってしまったひとつの理由に、日常が大変だった、ということがあります。
なぜかやたらとセミナーや研修の講師依頼がたくさんあり、出張も増えました。

そのうえ、ギックリ腰になったり、風邪をひいて喉を傷めたり、も。
時間的に、体力的に、どうにか最低限のタスクをクリアするだけで“いっぱいいっぱい”という感じになってしまったのでした。

もう一つの理由は、記事をアップする意義に悩んでしまったことです。

この情報過多の時代に、記事をアップし続ける意味があるのか、という疑問です。
どんなに書いたところで、読者に届かないのではないか。

この点についてはもう諦めています。
かつての私はネットからの仕事の依頼がたくさんありました。たとえば「こんな問題を抱えているお客様がいて、こんな手法や工夫を使うことで解決できた」という記事を書いたとしましょう。
すると、それを読んだ他の方からも、「うちも同じような状況なので、相談に乗ってほしい」と声がかかるような流れがありました。

でも、ここ数年はそんなことはほぼなくなっています。
ネット集客が機能しなくなった理由は、類似情報の氾濫でしょう。

今では、ライバルとなる同業他社もネット上に記事をアップしまくりました。
もちろん集客を狙ってのことです。金のあるところが、ライターを囲ってバンバン記事をアップさせてたり、ネット広告を出しまくっています。
それでネット上は情報で覆い尽くされました。

私に言わせれば、情報の質はひどいものです。
ただ記事と記事を、コピペしてつなぎ合わせて作ったレベルのものばかり……
実体験を持たない人間でも語れてしまう記事です。
でもこうして、私の記事を読んでもらえる余地はかなりなくなってしまいました。

そもそも、私のネット上でのライバルは強大でした。
自治体などの公的機関や上場する大手のM&A会社などが相手です。
予算もあれば、ネット検索でも優位な地位にいます。
奥村のような、予算も組織もない人間が、むしろこれまでよく張り合ってきたというべきなのかもしれません。



では、書くのをやめるか、記事をアップすることをやめるのか。
すこし考えましたが、続けた方がよいと言う結論に至りました。

書くことの意味は、集客のためだけではないからです。

なんというか、もっとこう、修行のような面があると思うのです。
書き続けることで、あることがらに気づいたり、自分の思考が強化されたり、と。
一般的な水準からすると、私はものを書く機会が多い人間だと思いますが、今でも書くという行為が新たな発見につながることが多々あります。

書くのは、自分のための研鑽の意味もあるのです。

「文章なんてAIが書いてくれるから、もう人間が書かなくてもよい」なんてことを主張する方がいらっしゃるのかもしれません。
でも私は真っ向から反対します。
文章を書ける人間である必要はあります。
それは、人としてちゃんとモノを考えられて、発することができると言う意味です。
そのためにはやっぱり、書き続けるしかないのではないのではないでしょうか。

また一年、気負わず、淡々と書き続けられることを願います。

〜お知らせ〜
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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰