『カメラは、取る人を写しているんだ。』ワタナベアニ著
「何を撮ったか、どう撮ったか、はたい大した問題じゃない。
結局、写真を撮ったあなたが問われるんだよ。」
著者が一番言いたいのは、きっとこういうことでしょう。
その人の言語力や経験、美的感覚……何を愛しているのか、が写真に出ちゃう。
そして、ここに「オリジナリティ」という問題への解があるのでしょう。
ありとあらゆる写真が撮りつくされて、「もう新しい写真なんてもう撮れない」と絶望しそうになる中で、自分だからこそ、に軸足を置くことが他と違う写真を生み出す。
ゆえに著者は、なんとなく世間に対するウケが良さそうな写真を撮ろうとするスタンスを否定します。
写真の話なんですが、これって経営の話そのものですよね。
目先の金を取りに行った事業の行く末は、まあ悲しいものです。
事業を作る前に、営業をする前に、経営者自身のあり方や哲学、価値観が問われるのです。