会社分割を成功させるために
会社分割を成功させるためのポイントを考えてみましょう。
目的を共有し、忘れないこと
企業の再編行為は複雑で、プロジェクトが長期に及ぶ場合もあります。
やっているうちに「なんのためか?」を忘れてしまい、うんざりしたり集中力を欠いたりしてしまいやすいものです。
また、どうでもいいような些細な点にこだわったりして意固地になってしまうこともあります。
プロジェクトを推し進めるエンジンとして、会社分割をする目的をはっきりさせ、メンバー間で共有できるようにしておきましょう。
株式の交付先をどうするか?
会社分割では、分社にともなう対価を誰に交付するかが選択できます。
対価は通常、その会社の株式です。
新設分割ならば、新しい会社が設立され、その新設会社の株式を旧会社か、旧会社の株主に交付することになるのです。
交付先をどちらにするかは、会社分割後のグループ内の関係性にもよるところでしょう。
また、交付先を旧会社にすることで債権者保護手続きを簡略できる場合もあります。
貸借対照表や損益計算書を上手に切り分ける
合併と違って、任意の部分だけを別の会社に引き継げるのが会社分割です。
それゆえ使い勝手がよく、効果的な仕事をしてくれます。
分社を設計する人は、このメリットを最大限発揮させるように切り分けたいところです。
貸借対照表、事業やお客さん、さらにはスタッフ・・・
それぞれをどのように分ければいい感じになるでしょうか。
数字に落し込んでシミュレーションしてみましょう。
税金のことも織り込んで計画する
会社分割では、適格分割か、非適格分割かによって、会社分割の行為自体で課税されることがあります。
また、会社分割に伴って不動産の移転があれば、不動産取得税等の有無も論点になります。
分社した後の株式を売却するような場合は、その際にも課税の問題が発生します。
会社分割では税金の問題は無視できません。
また、税金で目を配るべきところは広範囲で複雑です。
組織再編税制に詳しい税理士さんは多くはないようですが、慎重に取り組まなければいけないテーマです。
行政許認可は細心の注意で
会社分割は包括承継という性質のため、こちらの思惑で事を進められるアドバンテージがあります。
しかし、行政許認可についてはそうはいきません。
あくまで根拠となっている各法が優先されるのです。
事前の届出が必要な許認可会社や、分割でも引き継げない許認可もあります。
プロジェクトスタート当初に調査しておくべき論点となります。
負債処理や債権者の取り扱い
債権者たる銀行への根回しや同意の取り付けも大切です。
納得してもらえる絵を描き、事前に調整を働きかけましょう。
ときには旧会社や新会社が既存負債の連帯保証をすることで、銀行の債権回収への心配を払拭してあげたほうがいい場合もあるかもしれません。
なお、やり方によっては債権者の同意なく会社分割をする方法もありますが、オススメできないやり方です。。
会社分割前・後のオペレーション
会社分割をする直前とその後、いわば継ぎ目のオペレーションは上手くやりたいところです。
たとえば顧客にどのタイミングで発表するか。
どんなやりかたで連絡するか。
また、振込口座の変更依頼はどうするか。
会社分割後でも当面は旧会社の口座にお金が振り込まれてくる場合が多いでしょう。
そんなときは内部で調整しなければいけません。
旧会社と新会社で共同し、柔軟に対応できるような関係性が求められるのです。
会社分割ドットコムのご紹介
弊社では『会社分割ドットコム』というサイトも運営しています。
こちらのサイトには会社分割の使い方や手続き等が詳しく掲載されています。
こちらも合わせてお読みください。