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事業承継を成功させる三種の神器

 

自由に考えていいとなるとかえってこまってしまうものですね。

そこでフレームワークが役立ちます。

固定化されて発想が貧困になってしまう懸念も
ないわけではありませんが・・・

効率的に、かつ、検討内容の漏れを防ぐためには有効なのでしょう。

日本人が好んできた三種の神器というものも、
ある意味のフレームワークだったりするのかもしれません。

僕の専門である事業承継について、
成功のための三種の神器を考えてみました。

 

 

事業承継の三種の神器は『社印』『決算書』『遺言』

『社印』『決算書』『遺言』。

この3点を事業承継の三種の神器だと考えます。

以後、一つずつ解説してみますね。

 

 

目次

経営の裁量を手渡す『社印』

まず、社印です。

社長が持つ会社の実印です。

社印を持つということは決裁権を持つことです。

それを後継者に承継させなければいけません。

形式的な部分のみならず、
実質的なリーダーシップも
後継者に移行させなければいけません。

とはいえ、形式を作ることで、
中身まで実現されていくのもよくある話ですが・・・

後継者に社長の座を譲りつつ
先代がいつまでも現場に口を出したり、
後継者がやろうとしていることに
干渉し過ぎることを戒める意味もあります。

ソフトの意味での経営権を先代が手放さなければ、
いずれにしてもうまくいきません。

後継者に任せて失敗することはあります。

しかし、中途半端にやらせては、
成功するものも成功できなくなってしまうでしょう。

 

決算書で数字で会社を把握

次の神器は決算書です。

経営をするからには、
数字面から会社のことを把握できていなければいけません。

後継者も当然です。

「決算書が読めない」とか、
「数字のことは知らない」
なんてことでは話になりません。

そもそも自分の身を守るためでもあるのです。

かつて受けた相談では、
会社を継ぐや否や経営破たんさせた後継者がいました。

決算書を見せてもらってすぐに分かりました。

いつ倒産してもおかしくない数字だったのです。

しかし、決算書を見ていない後継者は、
先代の死亡をきっかけに会社を継ぎ
社長に就任してしまいました。

後継者の経営能力云々の問題以前の話です。

誰が継いでも倒産するしかない会社だったでしょう。

なお、こんな場合でも手はあります。

ご興味あれば、僕の運営する
『会社分割ドットコム』の該当記事をお読みいただければ。

 

実質の数字を見ること

会社を数字的に理解しましょうという注意喚起のシンボルが決算書です。

この点、本物の決算書は現実の数字を表していない場合もあるので
注意してください。

決算書に載っている数字(いわゆる簿価)と
現実価格(時価)が乖離しているときがあります。

こんな場合は、現実の数字に置き換えて把握しなければいけません。

またときに、銀行に良く見せようとして数字をいじっているため、
社長ですら本当の数字が分からなくなっているような場合も
あったりします。

決算書はウソをつくことがあります。

 

 

遺言で株式の承継ルートを!

最後は、遺言です。

遺言は、株式の経路を作っておくことの
注意喚起をするものです。

万が一のことがあったときに、
会社の形式的な経営権がしかるべき者の手元に
渡るようにしておいてください。

そのために遺言が役立つでしょう。

生前贈与なども活用した方がいい場合もあります。

 

社長の死亡したとき、
後継者に株式がわたらず
会社がつぶれそうになったケースがありました。

後継者が親族でない場合などでは、
遺言は絶対書いておいていただきたいものです。

書いておいた方がいいというレベルではなく、
必要なものと認識してください。

 

また、子供などの親族が後継者の場合でも、
遺産分割や税金のことを考えると
遺言は必須と思えてきます。

遺言などを活用して株式を後継者に届ける経路を
先代社長の手で作っておくメリットは
本当に大きなものがあります。

後継者を助けることになるでしょう。

 

 

まとめ

事業承継の三種の神器はどうだったでしょうか。

三種の神器が意味するところを理解し、
自社の事業承継の取り組みを点検してみてください。

もちろん、抜け目があれば対応していただきたいところです。

この記事がお役立てばうれしいかぎりです。

 

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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