世間は、今日から4連休。
気分を変えて、私と「易」との付き合い方を紹介してみようかと思います。
易経とは
易は中国、いや世界最古の書物であると位置づけられているようです。
四書五経のひとつでもあります。
人として正しく生きるための道徳的な話や、生きる知恵も書かれています。
このあたりは、The中国古典といったところでしょう。
易にはもう一つ、占いのテキストという顔もあります。
今日はこちらの話です。
易で占ってみた実例
じつは最近の私、仕事で悶々としていました。
最低限の仕事はこなしているものの、ちょっとした燃え尽き症候群のような感じです。
スカッとしない気分を引きずりながら働いていました。
そこで、易先生に「どうしたものでしょうか?」と問いを立てさせていただいたのです。
筮竹という棒を手にして、ゴニョゴニョやって出てきたのが、「水山蹇」という卦でした。
※筮竹です
易では、天、地、水、火、沢、雷、山、風の8つのシンボルを2つ組み合わせ、64の場面を描いて世界を表現しようとしています。
私が引いた「水山蹇」は、上に水、下に山で、困難が目の前にあって進めない状況を表現しています。
この時点で私は「もう、勘弁してよー」と、内心嫌な気分になりました。
今私がいる場所
64の卦は、さらに6つの段階や状況に分かれています。。
同じ「水山蹇」の中でも、さらに細かく様子が解説されるのです。
私は再び、筮竹をゴニョゴニョやって、自分が6つのどこにいるのか占いました。
すると、下から2番目のニ爻に位置していると告げられました。
水山蹇のニ爻には、こう書かれています。
「王臣蹇蹇たり。躬の故にあらず。」
すごく雑に訳すと、自分のことではなく、自分が忠誠を誓うべき君子や国家が困難を迎えていて、それにより苦労をするといった感じであります。
ここでわが身をふり返ります。
私にとっての貢献すべき君主は中小企業の社長さんです。
なるほど、どこも事業承継等で困難を迎えているところばかりです。
国家で考えても、廃業や事業承継問題は今や重大な社会問題とされています。
易先生の言葉から、困難の真っただ中でヒーヒー言いながら悪戦苦闘している奥村の姿が、まさに浮かんでくるではありませんか。
世界は変わり続ける
ただ、ずっと同じ状況がいつまでも続くわけではありません。
世の中は変化しつづけます。
そして、その変化を読み取ることが、易において一番重要なことだと思います。
当たったとか、外れたで、一喜一憂している場合じゃありません。
易の卦は、陽と陰の組み合わせでできています。
陽だったものは陰となり、陰だったものは陽となります。
私がいる「水山蹇」のニ爻は陰でしたが、あくまでこれは今の状況です。
これからニ爻は陽に転じるのです。
すると困難を表す「水山蹇」が、「水風井」という卦に変わりました。
「井」の文字から分かるように、井戸です。
井戸は人々の生活の中心にあります。
また、淡々と上下運動を繰り返して粛々と役割を果たします。
人が集まる中心にあり、私欲もなくただインフラとしての役割をまっとうするようなイメージが浮かびます。
お告げをいかに読み解くか?
この卦を見て、私はハッと思い出すのです。
「そういえば、いつか社長が集まる仕組みを作りたい」と思っていたことを。
それは会員サービスのようなものでした。
まさに、人の中心にある井戸。
すっかり忘れていました。
また、井戸の仕事ぶりから、易先生に「淡々黙々と仕事をしておけ!」との戒めも感じとりました。
ふりかえれば、今の私には焦りのようなものがありました。
また「何か閉塞感を吹き飛ばしてくれるようなものがやってこないか」と、自分でどうにもならないことに期待してしまっている面もありました。
そんな私に「欲も下心もいらんから、黙って働け!!」というわけです。
痛い・・・
易との付き合い方
こんな感じで、たまに易を立てています。
単純に、占いが当たったかどうかというのとは、ちょっと違うと思いませんか。
易を媒介にして、自分が気づいていないことにアプローチしようという試みです。
かっこよくいえば、自分との対話のために使っています。
あまり期待し過ぎないことが、占いとしての易と付き合うポイントだと思います。
「易の意見も聞いてみるか」くらいに接すると、いい気付きをくれることもあったり。
とにかく、依存してはいけないのでしょう。
おわり
かなりマニアックな話をしましたが、果たしてどれほどの方が興味を持って読んでいただけたのでしょうか・・・
そして、変な奴だと思われたかもしれませんね。
今回は占いとしての易の話をしましたが、もちろん古典としても学ぶ価値はすごく高いです。
事業承継の知恵もあったりします。
来年あたり、易と事業承継をテーマにセミナーとかもやってみたいと思っています。
はたして誰か聞きに来てくれるのかなぁ・・・