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再生・事業承継コンサルティングをしてて思う社長に一番大切なもの

「社長や起業家に一番必要なものって何?」
こう聞かれたら、今なら『意志』って答えると思います。
小さな会社で新事業立ち上げや経営再建、事業承継のお手伝いをしています。
そのとき、社長に意志がないとこ、ちらはどうしていいか分からなくなって困ってしまいます。
ある意味で会社がやれることは無限にあります。
「可能性が無限にある」と言えば、良いことと思われるかもしれません。
でも実は、そんなことはないのです。
なんでもできるとなれば、かえって何をしていいか分からず、進めなくなるもの。
ひとつの打つ手を検討していても、他の手が良く見えてしまいます。
それこそ無限に手があれば、検討しなければいけない手も無限にあるわけでして・・・
可能性が無限にあるということは、何もできないことなのです。
可能性を絞っていかなければなりません。
そのうえで「〇〇ができる」のレベルから「自分たちは〇〇をしなければならない」と肚にまで落とさなければパワーは出ません。
そこで重要な手掛かりとなるのが、経営者本人の意志です。
「これがしたい」とか「社会をこうしたい」など。
意志を持たない経営者が世に存在しているのかと疑問があるかもしれませんが、たまにいまらっしゃるのです。
自分は何をしたいという意志がなく・・・
しまいには「お金が稼げれば何でもいい」とか言われちゃうと、もう手がかりがありません。
ひどいときには10年以上も前の事業承継をあげて「俺は継ぎたくなかったのに」と不満をもらす社長もいました。
意志なくやってきてしまったわけです。
大きな会社のことは分かりませんが、僕の関わる小さな会社では意志が土台となります。
意志という言葉がピッタリなのかはわかりません。
こだわりでも美的感覚でもなんでもいいのです。
とにかく自分の軸が欲しいのです。
ここでは、とりあえず意志という言葉を使いましょう。
無限に手があるなかで「こうしたい」という意志が、会社がとる方向性のコンパスになります。
自分の意志に誠実だから、困難を前にしても力を出せるのです。
別にその意志が間違っていたっていいのです。
というか正解も間違いもないのでしょう。
ご本人の軸に合っているか否かの問題です。
よく「中小企業の社長はクセがあるから大変でしょう?」なんて聞かれることがあります。
たしかに個性的な人は多いです。
でもそっちのほうがいいのです。
仮に思い込みが激しくて、時代や社会に合っていない場合があったとしても、少し修正すればいいだけです。
意志がない人に意志を持たせるよりは100倍楽なのです。
だいたい、自分の意志を持たず「言われたことならなんでもする」という人は、そのとおりにしてあげたところで力を発揮するのでしょうか。
僕が思うにそのタイプの人は、何か失敗したときすぐに「あいつのせいで失敗した」と責任を転嫁する気がします。
少しの困難ですぐに逃げ出す人だとも思います。
「自分はこうしたい」
この意志が力の源泉となり、さらには差別化の要因になるはずです。
最後に、自分の意志ってどこからやってくるのでしょうか。
僕は個性を大事にすることからはじまると考えます。
何が好きで、何が嫌いで。
何を美しいと思って、何が許せないか。
周囲に迎合しようとして個性を殺してしまっては、自分の意志までなくなってしまうと思います。
結果、生き抜く力の源泉を失ってしまうことになってしまうのではないでしょうか。
個性は尊く、それを失う危機に敏感にならないといけないと、個人的に思っています。

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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