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会社設立は自分でできる、けど・・・

 

このところ「会社は自分でも作れるから」というコメントを何度か立て続けに聞きました。

「手続が簡単になっているし、法務局でも相談に乗ってくれるから」と。

さらには、経理のオンラインサービスで、少し情報を入力すれば登記の書類まで出してくれるようにもなっているそうです。

もう会社設立は「専門家に頼まなければできない」という時代ではなくなっているのですね。

 

その流れが良いか、悪いかはよくわかりません。

そもそも世の中の変化は止められないでしょうしね。

 

自分でやる(DIY)ということに対しては、僕は肯定的な感覚を持っています。

自分でやるから知ることや理解できることがあるはずです。

ただ、なんでも自分でやろうとする姿勢の裏返しが、「とにかくお金をケチる」という姿勢になってしまうと、それもどうかなぁ・・・と思います。

そんなことを感じるケースがありました。

 

会社設立を誰か専門家に依頼するとします。

当然、報酬の最低限の対価として、手続きの成功は実現してもらわなければ困ります。

でも、もたらしてもらえるメリットはそれだけではない場合も多いのではないでしょうか。

たとえば、開業後の経営について役に立つ情報を教えてもらえる可能性もあるわけです。

それをこのタイミングで教えてもらったことで、将来起こり得る大きなトラブルを回避できるかもしれないのです。

もしくは、ここで出来た相手との接点が、大きなチャンスを連れて来てくれるかもしれません。

 

仕事上のやり取りが、単純な手続きの肩代わりで終わらない可能性があるのです。

もちろん、そんな生きた情報や機会を提供できない専門家もいるのでしょうけど・・・

だから「誰と付き合うか。どんな風に付き合うか」が大切になるのですが。

 

そいう発想があってもいいし、その可能性までを踏まえたうえで、自分でやるのか、だれかに頼むのかを考えてみてもいいのではないでしょうか。

 

誰かの力を借りたい。

いい情報をもらいたい。

この人と一緒にやりたい。

こんなときに一番手っ取り早く、確実な方法は、お金を払うことだと思います。

ホストクラブやキャバクラの話のようで嫌悪感を持つ方もいらっしゃるかもしれません。

でも全てではないにせよ、真理ではないでしょうか。

仕事として依頼することで相手はコミットせざるを得なくなるのです。

 

会社を作ろうという方なのですから、当然これから経営をする人でしょう。

人の力を借りたり、人を活かして自社の利益を上げていく必要があるはずです。

何でもかんでも自分でやってコストを減らせばいい、という発想になってしまっては、なかなかうまくいかないのではないでしょうか。

 

生きたお金の使い方をする。

将来への投資になるようにお金を使う。

最近であったケースでは、こんなマインドが欠けている気がしました。

大きなお世話ですけどね・・・

 

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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