先週のはじめから風邪で喉を痛め、今は咳に苦しんでいます。
みなさまはくれぐれも健康を大切になさってください。
今日はお会いした社長さんからご相談を受けました。
「本当は、もっと早いタイミングでご相談すればよかったのですが・・・
今となっては選択肢も無くなりつつあります」
開口して最初に出てきた言葉です。
これって事業承継の世界ではよくある話です。
「あの時に相談しておけば・・・」という後悔の言葉を、これまで何度聞いたことでしょうか。
ちなみにこちらの会社さん、そうは言うもののまだかなりマシなタイミングでした。
もっと状況を悪化させてから声がかかるケースもたくさんあります。
事業承継の話に限りません。
相談のタイミングは遅れがちです。
どうしてそうなってしまうのでしょうか。
自力でどうにかできると、たかを括っていたり。
動くことが面倒になっていたり。
悪いことには目を背けて、希望的観測をしていたり。
いろいろなのでしょう。
「損したくない」というマインドも大きく影響しているように思います。
わざわざ時間とお金を費やして相談したのに、得られるものがなかったら・・・
こう考えて決断を先延ばしにしてしまうケースもよくありそうです。
とにかく相談のタイミングを外し、事態の悪化に対して後手を踏んでいるケースがたくさんあります。
こういうのは僕ら専門家サイドとしてはどうにもなりません。
話を聞けと、社長さんに強制できる機会はありません。
警鐘を鳴らすためどんなに情報発信をしようにも、耳をふさいでいる人には届きません。
なかなかのジレンマです。
相談のタイミングが遅くなる問題はどうしたらいいのか。
結局のところ、他人の言うことに聞く耳を持つことに尽きるような気がします。
聞く姿勢がなければ、大切な情報は入ってきません。
本人が耳をふさいでいるだけで、周囲の人は何かシグナルを発してくれているかもしれません。
もちろん思ったことを言ってもらえる関係があることが前提です。
でもこれも、聞こうとする姿勢があれば、自然とできているように思います。
今日の社長さんも「今思えばずっと人の言葉に耳をふさいでいた」とお話されていました。
本当に話を聞けることが大切です。
ただ、そうはいっても簡単なことではありません。
面倒なことや嫌なこと言われたら、切り捨てて、無視したくもなります。
「お前らは、何もわかっていない」と腹も立ちます。
素直に人の話を聞くのは本当に難しいですよね・・・
こう思うと、やっぱり事業承継等をはじめとする社長のおわり方は、テクニックだけの話じゃないと思います。
マインドやあり方、当人の姿勢などのほうが重要なように感じます。