「あなたの会社の目的は?」
みなさんは会社の目的を即答できますか?
定款の目的ではありません。
いわゆる会社の”存在意義”のお話です。
この手の話は、経営環境が変わり
「これまでどおりに売れなくなった」ときに
盛んに話題にされるようになった気がします。
会社の目的。
小さな会社の場合「会社≒社長」だから、
ひいては社長の目的。
もう聞き飽きた話題かもしれませんが、あらためて。
年末に淡路島で聞いたお話です。
すごくまじめな農家のある若者がいたそうです。
毎日毎日よく働いていました。
お金を稼いでは無駄遣いもせずにしっかり貯めて・・・
周囲からも働き者の好青年として評価されていたそうです。
ある日その若者が知人にボートレースに連れて行かれました。
「そんな働いてばっかりじゃ人生もったいないぞ。
少しぐらいは遊ばないと」と。
若者は人生初のギャンブルを体験します。
そして、当たってしまいました。
(ビギナーズラックです!)
この一件で若者の頭の中で何かが弾けました。
「お金なんて簡単に稼げるじゃないか。
今までまじめに働いていたのが馬鹿らしい」
あたかもこんな若者の心の声が聞こえてくるようです。
その後若者はボートレースにのめり込みます。
でも、そう簡単に勝てるものでもなく、
有り金を使い果たし、
さらには仕事の道具や田畑まで無くなってしまったそうな・・・
若者は田舎から姿を消し、帰ってくることはなくなりました。
あるんですね、こういうこと。
こんな話を聞くと、
目的をしっかり持つことの大切さを痛感します。
きっとこの若者の仕事の目的は
「金を稼ぐこと」になってしまっていたんだと思います。
だからほかの代替手段(失敗におわりましたが)が見つかると、
あっさりと農業への熱がなくなってしまいました。
もし仕事の目的を間違っていなければ。
たとえば「よい野菜を作ること」を目的とできていたら?
急に変わってしまうことはなかったんでしょう。
ボートに当たっても原点に帰ってこれたはずです。
「よい野菜づくり」を実現できた結果で、
お金を稼ぐ分にはいいのです。
ただ、正しい目的だからといって、
今度は本人の意欲がついてくるかは別の問題だったりします。
どんなに良い目的を掲げたって、
本心とずれていたら力が沸きません。
うーん、単純な話ではあいようです。
長く仕事をしていこうと思ったら、
適正な目的は不可欠になるのでしょう。
新年なのでこんなことも考えてみていただければ。