小売業の事業継承、廃業戦略は?
小売業の「出口」を考えてみましょう。
小売業の事業継承は?
すでに店舗がありお客さんもいる事業継承なので、
お客さんから見た価値を確認することから
はじめてはどうでしょうか。
なぜ、今のお客さんは店を利用してくれているのでしょうか。
値段が安いから。
生活圏にあるから。
品揃えがいいから・・・
店そのものの価値がお客さんを引き付けているのではない場合も
あるかもしれません。
たとえば、店主やスタッフの個性にファンがついていたり、と。
出発点は現状の理解です。
そのうえで「これからどうしていくのか」を想像します。
同じことを続けるにせよ、後継者の持ち味は先代とは違うはずです。
環境が変化するならば、当然、店のあり方も変化させなければなりません。
これからの店のビジョンを描く必要があるのです。
インターネットでも物が買える時代です。
リアル店舗の価値はどこにあるのでしょうか。
僕はコミュニケーションツールとしての価値を感じています。
後継者の方は、店を使って
どんなコミュニケーションをお客さんととるのでしょうか。
もちろん、リアル店舗にこだわるだけでなく、
ECサイトとの連動だって有効な展開かもしれません。
仕入を見直す
「こんな店にしていこう」というものが見えたら、
次は仕入を見直してみましょう。
仕入は小売業の肝です。
店のビジョンによっては、既存の仕入れ先を断ち、
新たな仕入先を見つける必要があるかもしれません。
そうでなくても、先代の時代の取引条件が曖昧になっていたり、
割高なまま放置されていたりすることもあります。
事業承継は関係の見直しの時期でもあります。
引き継ぎ方
小売業の引き継ぎ方は、
会社ならば、株式を先代から継承するのが通常です。
継承の仕方は、生前の贈与であったり、相続でしょう。
一方で、会社ごとではなく、事業だけを譲渡してもらうこともできます。
この方法ならば、必要な部分だけを選択して継承することができます。
部分的な承継の場合は、在庫の承継と、
仕入れ先や店舗に関する契約の処理がポイントになります。
小売業のМ&Aなら
大手流通がМ&Aで会社を積極的に買っています。
彼らとしては、
М&Aをすることで自社の品揃えを充実させようとしているのです。
背景に顧客ニーズの多様化があります。
それなりの規模をもち仕組化された小売業ならば、
М&Aで買い取ってもらえるチャンスがあるのでしょう。
特定の層の顧客を持っているとより強くなります。
横展開のМ&Aを仕掛ける
現実的には普通の小売業に一般的なМ&Aの話は無縁です。
たたし、自分たちの地域を守るため等に、
М&Aの利用は考える余地があります。
たとえばシャッター商店街の問題。
個々の店が個々の判断で廃業を選択肢、
その積み重ねで商店街としての機能を喪失してしまっています。
もし、商店街で事業の引き受け会社を作り、
その会社が廃業する予定の店舗を買い取っていけばどうでしょうか?
一店一店に任せるのではなく、
地域全体をマネジメントする視点が必要だと思います。
そのためにМ&Aを活用することも考えられると考えるのです。
小売業の廃業・清算なら
小売業の廃業のポイントは、在庫商品の処分と店舗の処理でしょう。
在庫商品は、もっとも効率よく処分する方法を考えたいところです。
代表的な処分方法は『閉店セール』の実施でしょう。
多少値下げしてでも、短期間で一気に商品を処分できるメリットがあります。
仕入先に引き取ってもらう方法もありえます。
さらには店の在庫をまとめて
同業他社に売却できることがあるかもしれません。
自社の扱う商品の特製(消費期限があるのかなど)によって、
とるべき戦略が変わるところでしょう。
店については、賃貸か所有で異なります。
賃貸の場合は解約予告期間があるので、
上記の在庫処分も加味して余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
早めに大家さんに退去を伝えないと余計な出費につながります。
原状回復も争点となりやすいので、
大家とコミュニケーションを取りながら、
上手くクリアしたいところです。
所有の場合は、その後の店舗を他に貸し出すのか。
自分たちで利用するのか。
さらには売却するのか、という選択肢があります。
早めに方針を決めて、必要なアクションを起こしたいところです。