ワールドカップの日本代表の戦いが終わりました。
惜しい試合でした。
「勝てたはずだ」と思った方もいらっしゃるのかもしれません。
それでも夢を見させていただきました。
選手や監督、スタッフの皆さんお疲れ様でした。
このままサッカーに便乗させてもらいましょう。
といっても、僕はそんなにサッカーに詳しくないのであらかじめご容赦を。
かなりの部分は想像だったりします。
ワールドカップの日本代表の戦いをあらためて振り返ると、かなり良い結果を得ることができたのではないでしょうか。
戦前の評判からすると、グループリーグを突破できたのは奇跡に近いのかもしれません。
決勝リーグでは世界ランキング3位の相手を追い詰めました。
冷静に振り返ってみたら、これ以上望めないぐらい本当に良くやってくれたと感じなくもありません。
ただこの好結果は、将来の日本サッカーの最大の落とし穴になるかもしれないと心配しています。
ワールドカップ直前には、監督解任というお粗末な出来事がありました。
スポンサーの力が強くなりすぎ、選手選考にまで影響力を持つようになっているとかいないとか……という話を聞くこともありました。
事実はどうかわかりませんが、ワールドカップを見据えた長期的な戦略は、途中で崩壊していたことに間違いないでしょう。
こういう事象の裏では、団体の体質や文化がおかしくなっているケースもありがちです。
保身や既得権益にしがみつく人がいて風通しが悪くなっていたり、と。
本来ならばすぐにでも、大きなエネルギーを投入して問題点の検証と改善をしなければいけないはずです。
それをしなければ、同じ失敗を繰り返すどころか、組織は腐って弱体化していきます。
ところが結果が出てしまいました。
これが危ない。
メスを入れるべきところが、なあなあになって流されやすくなっている状況です。
改善や改革に対する抵抗勢力の力が強くなってしまうときでもあります。
「結果が出たんだから、まあいいじゃないか」と。
今回の結果は、現場の対応力でどうにかもぎ取った成果です。
協会サイドの戦略プランは失敗しています。
さらに批判を恐れず言ってしまえば、かなり運のおかげだったとも思います。
(サッカーというスポーツの勝敗自体が、他のスポーツと比べて運の要素が強い気がします)
結果はたまたまです。
このラッキーを恐れましょう。
僕の仕事の現場でもラッキーの弊害はよくあります。
これまでの延長線上に将来はない、と、自分たちのあり方を変えようとしているときです。
改革を断行しようとしていた矢先に、ポロっとおいしい仕事が転がってきたり、売り上げが良くなったりすることがあります。。
結果、その仕事に気が向いてしまい、すっかり改革を忘れてしまいます。
「なんだ、苦しい思いをしないでも、このままでもいけるんじゃないのか」
そんな甘い考えも頭に浮かんできたりするのでしょう。
たとえば、自社の商品を売り込もうと躍起になっていた会社があったとします。
手っ取り早く売り上げを作ろうと、すぐに値下げをしてきました。
悪循環になることは目に見えていますね。
状況を改善するため「これからは自社の分野におけるお客様の先生になろう。そのために、情報や価値を十分にお伝えしよう!」という方向性が決まったとします。
業績が悪いままのときは、一生懸命情報発信に努めます。
ところが、たまたまのラッキーで仕事が増えたりすると、その手をすぐに止めてしまいます。
そして、その仕事が終わりをむかえるころには、次の仕事が来ていないことに気づいて急に焦りはじめたり……
変革ができないまま、同じことを繰り返します。
たまたまの好調やラッキーは、自分たちを変える最大の障害になり得ます。
日本のサッカー協会もそんな危機に足を突っ込んでいるかもしれません。
最大級の危機感をもって、反省と改善に取り組めるか。
結果に満足してやり過ごしてしまうか。
この時を境に日本のサッカーの凋落がはじまったと、将来ならなければいいと願うばかりです。
なお、あくまで協会サイドのお話です。
選手をはじめ現場でがんばってくださった皆さんは、しっかり休んでくださいね。
ワクワクできるワールドカップをどうもありがとうございました。