前回のブログ記事では、経営再建事例を書きました。
そのときの私の経営再建へのアプローチは、コーチング的なものでした。
私の中に最初から答えがあったわけではありません。
社長さんたちと話をしながら武器や強みを引き出し、新しい戦略を作って行くというやり方です。
このスタンスにはスピード感は無いけど、どんな会社、どんな業種でも通用します。
別のスタンスとして、コンサルタントが最初から答えをが持っている場合があります。
たとえば、売り上げを増やしたいというニーズに対して「DMを出せばいい」という具合です。
そして、そのやり方を教えることでフィーをもらおうというモデルです。
奥村の専門分野である会社の着地の分野で言えば、「後継者問題はM&Aで解決できます」と訴えるM&A業者がその典型です。
往々にして後者のタイプは一つのやり方しか有していないことがあります。
このやり方を売るために、コンサルティング風に装うのです。
私の独自の定義では、これはコンサルティングではなく、「サービス」になるのですが。。。
たとえば、いつ、どんなときでも、相手がどんな会社であっても「DMを出しましょう」と提案したりします。
事業継承コンサルティングをしているというある士業の人の話を最近聞きました。
「保険の営業マンから社長を紹介してもらて、こういう風に信託契約を作るんですよ」と言ってました。
自分ができること、自分が仕事にしたいことに合わせて、ひな形に当てはめているだけなんですよね。
相手に合わせて最適なコンサルティングをしているのではありません。
このやり方のすべてを否定するわけではありません。
ハマれば効果的だし、画一的な分スピードもあります。
ただ、サービスを受ける側と、提供されるサービスの内容が合っていない場合がたくさんあります。
完全に不適合とまではいかなくても、今それをやるべきではない、もっと優先してやることがあるというケースが本当に多いように感じています。
しかし、そんな事情はサービスの供給サイドには関係ありません。
このあたりは依頼を検討する側がとくに注意しておきたいところです。
手っ取り早く答えを得ようとしていたり、目先の利益に目がくらんで視野が狭くなっていたりすると危険です。