「中小企業オーナー社長のための『退路開拓』勉強会」というものを企画してみました。
ある方から「地元でやってほしい」と声をかけていただいたご縁もあり、10月17日に名古屋にて初の試みとなります。
実はこのタイトル、意図がちゃんと伝わっていない可能性を懸念しています。
一部の方の反応を見るに、どうやら「退路=廃業」と受け取っている場合がある模様です・・・
「何が起きるかわからないから、“いつでも廃業できるようにしておこう”という趣旨の勉強会だな」と。
完全に間違って伝わっているわけではありません。
でも、対象範囲は廃業に留まるわけではないのです。
廃業というのは、社長が撤退するときの選択肢の一つになります。
しかし廃業だけが、社長の撤退の選択肢ではありません。
子供や従業員に会社を継がせる事業承継だって、他社に会社を買ってもらうM&Aだって、社長から見たら撤退の選択肢の一つとなるのです。
たしかに会社は続くでしょうが、社長が社長を辞める原因という点では廃業と同じです。
事業承継やM&Aだって、社長が会社を辞めるための手段になり得るということです。
それなのに、もし今回の勉強会の範囲が廃業だけと受け取られてしまうと、ちょっと不都合なことが起きてしまいます。
たとえば、社内に親族のあと継ぎ候補がいる社長であれば、「うちは事業承継をさせるつもりだから関係ないな」と・・・
ちょっと困ります。
企画をするにいたった大前提として、誰であっても、いつか社長を辞める日がくるという抗えない事実があります。
そして、社長を辞めるというのはとても難しいことです。
この分野でひたすら仕事をしてきた私は、断言します。
廃業という結末であっても、会社を誰かに継がせるのであっても、難易度は相当に高いのです。
ゆえに前から備え、戦略的に振る舞うことに価値があるということです。
このあたりの考え方と方法論をお伝えしたくて講習会をきかくしました。
なんとなく成り行きにまかせていては、辞めるにやめられなくなってしまいます。
『退路開拓』という言葉に込められた思いです。
社長の退路開拓を学んで、積極的に自分の退路を切り開こうとした結果、事業承継やM&Aという終着点になればみんながハッピーになれるでしょう。
しかし「無事に社長を辞める」という点において、廃業と事業承継等を隔てる意味はありません。
むしろここを分けしまうと、思考をゆがめ、行動を制限し、結果として不幸なゴールを呼び込んでしまいかねません。
どのパターンであっても、自らの退路退路の開拓のノウハウは有効です。
中部地方の方、ご興味あればぜひご参加ください。