M&Aでご自身の引退を実現しようとしていた製造業を営む社長さんがいらっしゃいました。
この度無事にその希望を実現できました。
自社よりももう少し大きな会社のグループに子会社に参画することになりました。
先日、奥村はクロージングの場を仕切り、契約書への押印、必要書類の受け渡しと代金の支払いなどの場をコーディネート。
M&A後の新体制移行へのアドバイスなどもさせてもらいました。
プロジェクトは今年の3月ごろからスタート。
年齢や健康面から「そろそろ社長を引退したい」と相談があり、社内の状況や社長の希望を整理したところM&Aで外部に会社を売る方向となりました。
「手元にいくらくらいお金がほしいですか?」
プロジェクトのスタート時点で質問したときは、2000万くらいは最低でも・・・と社長は答えました。
その後動き出してからは、3000万円に増えていましたがご愛敬です。(笑)
最終的には、最低ラインと設定した数字の倍近い金額でM&Aの話をまとめることができました。
プロジェクトを通じ、社長としては、とにかく資料の提出が大変だったようです。
社内の誰にもM&Aのことを伝えていません。
完全に秘密です。
そのため他の従業員に気取られないように、一人で準備しなければいけません。
しかも、買い手候補から求められる資料や質問は大量です。
社長は「大変過ぎて心が折れそうだ」とぼやくことももありました。
M&Aを実行するのは本当に大変なことだと思います。
エネルギーをかなり消耗します。
過去には、求めらる資料が多すぎて途中で投げ出したという方の話も聞いたこともあります。
あらためて、大変なんですよ。
だから、やるからには肚を決めてやらないといけません。
中途半端な気持ちでは途中で嫌になってしまいます。
それは周囲にも自分にとっても迷惑な話となります。
ところが、よくあるM&A業者が抱えている案件では、当の本人である社長の覚悟が足りないケースを目にすることがよくあります。
「いい値段が付いたら、売ろうかな」というレベルの覚悟だったりするのでしょう。
買い手との話が進んだときになって、「やっぱりやめた」と社長がちゃぶ台をひっくり返すケースもあります。
中途半端な案件がちまたにはたくさんあるのです。
この点、うちのお客様はとても優秀で、最後まで完走される確率は非常に高いものがあります。
私と、普通の仲介業者とは力点の置き場が異なるのでしょう。
会社を売るからには、社長さんは自分もしっかり肚を括らないといけませんね。