廃業の意向を従業員さんたちに伝える集会に立ち合わせていただくことがありました。
下請け業者からの廃業希望を受け、同社もそろそろ潮時だと社長は判断されました。
集会では、社長が従業員さんに廃業を選んだ決断の経緯や、今後の展開予想をお話しました。
そこに僕が、補足で説明やアドバイスになりそうなお話を加えさせてもらいました。
たとえば、今後はどんな心持ちで仕事にあたったら良さそうかなど。
社長はとても緊張していたようです。
ご本人も「うまく話せなかった。いつもだったら冗談とかも言えるのに…‥」と。
そのためか、集会の冒頭では予定されていた僕の紹介を忘れて話はじめてしまいました。
打ち合わせはしていたのですが・・・
社内の集会に、謎の部外者がポツンといる状況がしばし続きました。
「いつもは一緒に仕事をしている仲間でも、こういう場面だと雇う側と雇われる側になっちゃいますよね。
味方が誰もいない感じになります。
奥村さんがいてくれて心強かった」
社長は終了後、こんな風に語っていました。
廃業においては、従業員さんに決断をつたえる場面が、一番の心理的なヤマ場です。
苦渋の決断を従業員さんに伝えることは、本当にすごいエネルギーを必要とするようです。
その重圧を少しでも和らげられたなら幸いです。