神戸と東京に営業拠点を持つ会社の副社長からメッセージをいただきました。
「社長と将来のビジョンが異なるため、会社を分社したい」とのことです。
なぜか最近このパターンのご相談が非常に増えています。
さて、このパターンのご相談に僕はどのように対応するでしょうか。
上手に分社するコツも含めてお話しましょう。
双方から分社のコーディネーターとして招聘されることは最低条件
まずご相談を頂いた方とお会いして、よくお話を聞きます。
状況や希望する落としどころなどを、です。
その上で、もう一方の当事者にも会わせてもらえるようにお願いします。
今回の相談ならば社長です。
まず両者とお会いし、お二人が「奥村に交通整理を依頼したい」と思ってもらうことではじめて仕事を受任できます。
もちろん僕の意思も必要です。
「この会社のお仕事に貢献したい」と、思えなければお断りすることもあります。
偉そうな奴だと思われてしまうかもしれませんが、一度お仕事がはじまれば深く長いお付き合いをすることになります。
やはり、お客さんに対しても、共感できる部分があるとか、信頼できることが欠かせません。
意地を張らず、ほどほどの落としどころを見つける
僕が両者の間に入るためには、双方が「分社等は必要であり、そのコーディネートを奥村に託す」という条件がそろわなければいけません。
なので、どちらかが「分社は絶対しない」と断絶したら、僕は関われません。
そのときは弁護士さんを雇うなりしてガチンコでやり合うしかなくなります。
ただ、これはお互いが深い傷を負う可能性が高い道です。
納得しないまでも、双方が譲り合ってほどほどの落としどころを見つけたほうが、全体的なメリットはまず大きくなるものです。
分社の交渉を直接しない
仕事の受託が決まったら、双方の間を行き来しながら条件の合意に近づけていきます。
お金の面だったり、別れた後の関係性だったり、資産負債、従業員さんの分け方だったり・・・
お互いの意見を聞きながら、公正的な感覚を保ちつつ、法律やビジネス的な視点で線引きを考えます。
形式的な部分だけでなく、お互いの感情の手当てもとても大切ですね。
このあたりは僕の腕の見せ所になるのでしょう。
情理を尽くして納得しているよう励みます。
僕が関わる場合は、僕が往復することで当事者間での直接交渉を避けてもらっているわけです。
もし直接やった方がいいと思う場面ならば、僕も同席して話し合いの場を作ります。
話を穏便かつスムーズに進めるために、これがいいやり方だと思っています。
もし同じような場面を迎えている方がいらっしゃれば、分社の件に関して直接相手と話をしないようにすることをおすすめします。
信頼できる人に間に入ってもらうのがいいでしょう。
顧問税理士さんとの関係をはっきりさせる
仲介者から声をがけられる時もあります。
代表的なのは顧問税理士の先生から招へいされるようなケースです。
このケースは二通り関わり方があり、僕がコーディネーターをやる場合と、税理士さんなどの仲介者が真ん中で指揮をとる場合です。
後者だと、僕は分社の手続きや法務の専門家として関わり、プロジェクトの進行等には口を出しません。
これが誰がイニシアチブを取るべきかが分からない場合だと、やりづらくて困ります。
依頼する会社さんとしては、誰がプロジェクト全体の責任者なのかはっきりさせるようにした方がいいでしょう。
普段の会計顧問と、今回のような分社のような特別なケースでは関わり方が変わるのも当然です。
もしプロジェクトをコーディネートする支援者がいないのならば、自分たちでコーディネートを担わなければいけません。
遠方からの依頼だと?
どれほどお伝えできたか不安ですが、こんな感じでお仕事をしています。
なお、地域的な制限は特になく、北海道から沖縄までご相談があれば対応しています。
パソコンや電話があるし、現地専門家にも協力してもらいながらやれるので、距離的な問題はほぼなくお役に立てているはずです。
遠方だからとんでもなく交通費がかかるということもありません。
いつもそれ以上のメリットを提供しているつもりです。
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