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大阪の事業承継コンサル案件にて

 

とある大阪の会社さんの事業承継案件をコーディネートしています。

ゴールラインはもう見えてきたのですが、そこから少し進んではまた戻る、を繰り返しています。

粘り強さが大切です。

 

この案件は先代が70代後半、後継者候補は40代半ばです。

そして先代と後継者の間に血のつながりはありません。

先代社長が後継者としてスカウトをしてきた人材ですが、数年間の勤務姿勢や先代の健康状態などをふまえ「いよいよ事業継承を実行しよう」となりました。

その手続きや双方の意見調整のため、奥村に白羽の矢が立ったのです。

 

それなりにすんなり行く案件なのかと思いましたが、やはり進めていくと、ポロりポロりと不具合が出てくるものです。

当初と言っていることが違ったり、と・・・

たとえば会社で使っている先代個人名義の不動産については、「会社で使ってくれるなら賃料なんていらないよ」と、当初、社長は威勢よくおっしゃっていました。

でもだんだんと気持ちがかわり「やはり近隣相場並みの家賃が必要じゃないか」と。

 

ブレてしまったといえば、そうなのですが、こんなものだとも思うのです。

話を進めていくうちに、見えていなかったものが見えたり、意識が変わったり、そのけっか主張が変わるのが当たり前なんだと認識するようになりました。

「あのときはこう言ってたじゃないですか!?」と、間違いとして指摘したところであまり意味がないように思うのです。

むしろ、その相手の神経を逆なでしてしまうことによる逆効果を恐れます。

そうではなくて、何かが変わったらその都度それを受け入れて再調整を図るようなスタンスがいいように思います。

 

とはいえ、そんな相手の変化に付き合わされることで、もう一方が「もうやってられない」と暴発してしまいそうになることがあるのも事実。

僕としては上手に気持ちのマネジメントをしなければいけません。

 

こんなときにいつも意識しているのは、最悪の結果をイメージしてもらうことです。

たとえばこの案件の例では、最悪なのは「誰も継ぐ人がいなくなって会社を廃業するしかなくなること」です。

そうすれば先代としては期待していたほどのお金を残せません。

それ以前に、人生を費やしてきた会社を自分の代で失くしてしまうという悲しさと対面しなければならなくなるでしょう。

方や、後継者の方としても、商売としてかたちができているものを手に入れられるというチャンスを逃すことになります。

同じものを作ろうと思えば多大な時間とお金がかかるでしょう。

もしかすれば、どんなに頑張っても同じレベルのものは作れないかもしれません。

 

双方にとって最悪の結末は歓迎できないものです。

これを意識さえできていれば、事業継承の実現にむけて多少のことは目をつぶれるものです。

だから、議論がおかしな方向に進んだり、些細なことで衝突しそうなときは、最悪の結果をイメージしてもらうようにしています。

共通の敵が出現させることで、これまで不仲だった者どおしでも絆が強まることに似ているかもしれませんね。

 

裏方としてこんな心がけで事業継承の成功に寄与しようとしています。

表で脚光をあびるような仕事ではありませんが、きっと大切な役割のはずです。

 

 

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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