たとえ稼げていない事業でも
いよいよ会社を継ぐときがきました。
後継者がいかに経営していくかのビジョンが試されます。
これまではそのビジョンを作るための時間だったと言っても過言ではないはずです。
どのようなコンセプトの事業をするか。
どうやって売っていくか。
社内文化など、会社としての『あり方』はどうあるべきか。
業界や産地そのものが機能しなくなっているならば、自社が業界や産地の再編の旗手になることだってできます。
たとえば分業が進んだ伝統工芸の窯元ならば、釉薬や生地作りなどの機能まで内部に取り込むことで、産地の継続を担うことができるのです。
これまでの自社や業界の常識にとらわれず、自由な展開ができるのです。
リノベーション起業
なお、自社はそのままの姿で継ぐ必要はありません。
不採算事業は切り捨てて、承継することだってできます。
もし負債が膨れ上がっていたとしたら、それをそのまま継ぐばかりが手ではないのです。
必要な部分だけを切り取って承継することができます。
(そんな選択肢を残しておくために、後継者は個人保証を留保しておくべきです)
このあたりは、拙著『今ある会社をリノベーションして起業する~小商い“実践”のすすめ』に詳しく書いてります。
ご興味のある方は、ぜひ一読してみてください。
大切なことは、捨てると活かすを組み合わせ、自分の会社自分の経営を確立することです。
これまでの事業継承というものは、先代視点でばかり考えられてきました。
後継者は受け身で、継がされる立場でした。
しかし、それでうまくいく時代ではありません。
後継者が積極的に機会を取りにいき、活かさなければ成功はおぼつきません。
どこか悲観的なイメージだった事業継承を、後継者が成功するための『チャンスの話』に変えていかなければならないのです。