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「社長が急死した」という案件が立て続けに・・・

 

先週は立て続けに「社長が急死した」という案件で問合せがありました。

後継者的な立場の方から「どうしていいか分からない」と。

 

こんな緊急時、初動が大切です。

とにかく動き出すことです。

顧客離れを防げるかなど、損害の大きさはスピードの差によるところが大きい場面です。

下手を打てば、あっというまに会社は潰れます。

 

あとは動き出す方向性。

多少間違っていようが大まかな方向性があっていればそれでよし。

ただし、真逆の方向に進んでしまったらそれは痛い・・・

 

たとえば、僕ならこんな場面で「大急ぎで顧客をまわって安心させてください。これまでと同じように取引してもらえるようにしてください」と、言う可能性が高いでしょう。
(会社の状況によってアドバイスは変わりますが)

でも、他の人は「まず社長の相続人が誰になるかを調べ、その人たちと会社をどうするのか協議しましょう」なんて言うかもしれません。

間違いではないのでしょうけど、そのタイミングで一番大切なことかといえば・・・

 

緊急時なりの優先順位を意識して、方向を定める。

あとは躊躇なく実行する。

こんな姿勢が大切です。

 

この点、こんな場面で連絡をしてくる人に対して、たいがい歯がゆい気持ちを抱きます。

立場的には、社長の子供だったり、従業員代表だったり、後継者候補だったり・・・

みなさん、決断できなければ、動き出すこともできません。

自分で多少のリスクさえ負おうとしません。

結果、社長死亡に伴う損害は大きくなります。

時間は取り戻せないのです。

 

こんな場面を想定して準備している人なんて、まずいません。

何をしていいかわからなくても仕方がないと思います。

ならば、他者の経験と知恵を使えばいいだけです。

しかし、「これだ」と感じる人と出会ったら、思い切ってその人にかけてみる必要はあるでしょう。

なんといっても緊急時です。

家に火がついているのと同じ状態です。

すぐに決断して動かなければ、炎は燃え盛るばかりです。

「コイツは間違ったことを言ってなさそうだ」と感じたらすぐに行動しなければいけませねん。

 

ところが、緊急時なのに通常時と同じような感覚の人が多いのも事実。

「他の人の意見も聞いて、総合的に判断します」

「予算を組みますので、まずお見積りいただけますか」

みたいな・・・

悠長なことです。

こちらもこんな案件には、他のスケジュールを大幅に変更してでも、大至急で対応しなければいけないと考えます。

でも、相手がこんな様子なら、そこまでしてあげるのもアホくさくなってきますね。

 

こんな話をしていると、かつてのお客さんを思い出しました。

この人はすごかった。

「社長が亡くなった」と電話をしてきたと思ったら、すぐに「会ってください」と。

その勢いで当日やって来ました。

そして、12万円を差出し
「いくら必要か分かりませんが、ひとまずこれで動き出してくれませんか」と。

この方は従業員の中心人物でしたが、他のスタッフにも声をかけて集められるだけのお金を集めてきてくれたそうです。

 

これぐらいのスピード感と行動力、判断力が欲しいですよね。

なんといっても緊急時ですから。

ちなみにこの方は、最終的には社長を継ぎ、立派に経営をされています。

やっぱり結果を出します。

 

と、こんな感じで僕にコンタクトしてくる後継者の立場の方々について、感想を述べさせてもらいました。

ただ一番責任があるのは、間違いなく亡くなった社長です。

何の準備もせず、保険もかけずに亡くなってしまったわけですから。

現場が混乱し、社員や家族が右往左往するのは当然です。

 

社長は自分が亡くなったときのことも想定して、準備しておくべき。

こんな正論を声高に叫ぶのは好きではありません。

みんな人それぞれ。

好きなようにやるのが基本だと思います。

とはいえ、ただ・・・

自分で散らかしたものを、自分で片づけるのも大切なことだと思います。

 

 

僕らも反省しなければなりません。

中小企業における社長の急死問題に対しても、もっと僕らがやらなければいけないことがあるはずです。

具体的なかたちで社会に応えたいところです。

 

 

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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