廃業を進めている会社で、社長さんたちと打ち合わせがありました。
すでに従業員や取引先に、営業を廃止することは伝えてあります。
今は主に、事務所や作業場を空っぽにするための撤去の段取りをしています。
スムーズにやりたいところですが、物を捨てることにもお金がかかります。
そのため、不動産や車などの資産を上手に処分して、そのための資金を作りたいところです。
実はこの会社では、廃業しても金融機関からの借金が残ってしまうことが想定されています。
全ての負債や経費を支払うための十分な資金がないとき、誰に対する支払いを優先させるか決めなければいけません。
逆に言えば、どこかへの支払いをあきらめなければいけないわけです。
社長は、従業員や取引先への支払いを優先させたいと考えました。
そして腹を決めました。
このような状況では、自己破産を申し立てることがある種の常識でしょう。
でもその道では、自分で何もコントロールできなくなってしまいます。
結果、顔の見える近しい相手から、怒りと恨みを買ってしまうことも……
幸いこちらの会社では、今のところうまく推移しています。
このまま大切な関係性を守れることを祈ります。

