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事業承継は自由と責任を整える

 

仕事がら、日ごろからいろんな会社の経営相談を受けています。

あるときふと気づいたのが
「多くのトラブルの原因は自由と責任がずれてしまっている」
という事実です。

 

ある会社では、
遠方の事業所を本部がマネジメントできない
という問題がありました。

本部の意向はあまり聞かず、
勝手にどんどん進めてしまう、と。

 

また、後継者にするつもりの人間が
報告や相談をしないと怒っていた社長もいました。

 

これらは、責任がないのに
自由だけを与えてしまったがための結果です。

 

 

逆もあります。

社長の座を後継者に譲ったのに、
先代が相変わらず社内を仕切ろうとしていた例です。

こうなると、本来自分の足で歩かなければいけない新社長が、
相変わらず先代に依存し続けるか、
口を出してくる先代に嫌気がさして
おかしくなるかのどちらかでしょう。

新社長に責任を負わせたならば、
先代は一歩さがらなければいけません。

 

 

自由と責任がずれていたからトラブルが発生するのか。

もしくは、最初は整合性がとれていたけど、
後になってバランスを欠いてしまったのか。

いずれにせよ、常に自由と責任はセットであることを再確認し、
点検しなければいけないようです。

「自由には責任が伴う」という言葉は
、改めて考えると奥深いものを感じます。

 

 

何かの事情でお飾りの社長を立てたとします。

真の社長は
「あいつならいつまでも俺の言うことを聞くだろう」
とあまくみます。

しかし、立場は人を変えます。

社長という形式を手に入れた影武者は、
本当の社長のようにふるまいだすものです。

気づいたときには、もう思い通りにはできません。

 

中味の伴っていない形式であっても、
続けていくうちに本物になってしまいます。

だから、軽はずみで変なことはしちゃいけません。

会社の借金に対して責任を負わわない経理スタッフに
社印を渡したら暴走された、
などはその典型でしょう。

社員に仕事を任せたほうがいいという意見を
聞くことがあります。

でも任せるだけでは不足で、
そこに責任もセットで渡さなけえればならないのでしょう。

 

 

事業承継から外れた話もしてしまいましたが、
自由と責任の話は経営に従事するならば
頭に入れておいて損はないはずです。

事業承継の場面に限定すれば、
中途半端なことはせず、
後継者に自由と責任をしっかり手渡すことです。

 

 

〜お知らせ〜
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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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