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相続、事業承継の場面では直接交渉をさせない

 

かつて僕は『相続手続』をサービス化させました。

その後の相続ブームの先駆けだったでしょう。

多い頃は年間200件近くの
相続や遺言の相談を受けていたはずです。

 

かなりの数をこなしながらも、
お客さんが弁護士を雇わざる得なかったり、
裁判所に話が持ち込まれた案件は
たった1件しかありませんでした。

それもやむを得ない事情があったためです。

統計的には全相続案件のうち
10%近くが調停等になるようです。

この数字と比較すると驚異的な円満解決率であったと感じます。

なんで、そんな成果をあげられたのか。

 

要因は一つではないでしょう。

いろいろ企業努力を繰り返してきました。

その中で思いつくことの一つが、
相続人同士で直接話をさせないようにしていた工夫です。

 

ただでさえ人が亡くなって、
感情的になりやすい状況です。

しかも普段はしないお金の話をします。

遺産分割の話をしはじめると、
それとは関係ない過去の恨みごとなどが
テーブルにあげられがちです。

ちょっとした一言で火がついて
消化不能なほどに燃え上ったりしてしまうのです。

そうなってしまえば
あとは各自が弁護士を雇って
ガチンコでやりあうしかありません。

僕らは、そうならないように
直接遺産分割の意見や感想を相手に言うことを
止めてもらいました。

この効果は相当あったはずです。

 

今は事業承継を中心とする
コーディネーターをやっていますが、
その時の経験は活きています。

やはり先代と後継者の間では
直接交渉を避けてもらっています。

僕が間に入ることで、言いたいことや、
押さえていた本音を言うこともできるようになります。

 

ただ、これはあくまで原則です。

先日の件では、
先代社長が決まった方針を
何度もひっくり返すということが起きました。

頭では事業承継を理解しつつも、
心がついて行かないのだろうを推測しました。

そこで、思い切って両者が直接話す場を作り、
忌憚なく話をしてもらおうと思ったのです。

 

悪い方向に進んでしまうリスクもありました。

でも、フタを開けてみたら結果は良いものに。

先代社長もすっきりしたようで、
今後の調整はスムーズに行けそうな予感です。

 

 

相続も事業承継も
感情的に衝突しやすい場面です。

できるだけそれを避けられるようにしなければなりません。

コーディネーターの役割が重要になってきますね。

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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