最近お話をいただいた案件の見積もりを考えていたのですが、かなり手こずりました。
というか、性格な見積もりを出すことに白旗をあげたといった方が表現としては近いかもしれません。
僕は廃業やМ&Aなどまで含めた、いわゆる事業承継を扱っています。
なかには最初からすぐに先が見通せる場合もあります。
どれぐらいの手間や時間で、どんな成果を得られるかが簡単にわかるときです。
一方で、何が出てくるかわからない。
そもそもどうやって解決したらいいか、すぐに分からない。
こんなケースも多々あるわけです。
僕が受ける仕事の場合、定型のお仕事というのは極めて少数派です。
「どうしていいか分からない」という悩みを社長さんが持ってくるので、頭をひねりながら解を見つけようとします。
最初の段階で「こんなことをやるから、見積もりはこうです」とは、なかなか言えないほうが多くあります。
逆に言えば、正確な見積もりを出せる時点で、こちらとしてはもう仕事は終わったようなものなのでしょう。
何を、どうやってやるかの作戦が立てられるかが勝負です。
とはいえ、そんな苦労もこちら側の都合でしかありません。
お客さんとすれば、いくら費用がかかるか分からないと不安です。
時価のすし屋に入ってしまった時のように、安心していられないでしょう。
そこで、妥協策や代替案をいろいろ考えることになります。
たとえば、月々の顧問契約のようにして、様子を見ながら進めたり。
初期費用を安くして、成果に基づく成功報酬のスタイルととったり。
ときに、正確な見積もりまでを含めたプランの策定までをお仕事として引き受け、その後に依頼するか否かは後で判断してもらうようなかたちにしたこともあります。
とはいえ、信頼関係のもと、状況が変わったらお互いが柔軟に対応するという前提あってこそなのでしょう。
そんなこんなで、見積もりの提示には苦労をするケースばかりです。
すぐに先が見えないデリケートなものを扱っています。
また、仕事のスタイルもちょっと一般的ではありません。
「これをやって欲しい」と頼まれて、決まった型のサービスを提供するスタイルではありません。
「何をやったらいいのか」を、社長さんたちと一緒に導き出すスタイルです。
こんなところを少しでも理解いただけると、すごく助かります。