先日、M&Aのトップ面談に同席しました。
トップ面談というのは、資料等で売り手と買い手の双方がM&Aを進める意向を持った後に「トップ同士が会ってお互いの人となりを確かめましょう」という機会です。
いろいろな仕事の仕方や会社とのかかわり方をしている私でも、今回のようなケースはそんなにたくさんありません。
もちろん、奥村はM&Aのアドバイザーをやることもあるので、トップ面談に関わること自体は珍しいことではありません。
今回珍しかったのは、売り手の会社の一員として臨んだことです。
この件、奥村の仕事ぶりや役割をよくあらわしています。
当初、社長から「会社を手放そうとしているから相談に乗って欲しい」と声がかかりました。
社長としては、自分の考えが間違っていないのか。
手放すにしてもどのように実現していけばいいのかが不安でした。
そもそも初めての体験です。
奥村の助言を受け、一緒に相談しながら進めていきたいと考えていただきました。
なお、このご時世、こちらの会社にも「会社をM&Aで売りませんか」と専門業者からダイレクトメールは頻繁に送られてきたりしていました。
しかし、社長としてはそういった業者は相談相手にはならないと考えたし、そもそも信じていなかったわけです。
社長と私は、数か月にわたり打ち合わせを重ね、考え方や準備を進めていきました。
そして、いざM&Aに着手しようという段階になったときには、具体的なM&A業者の選定にも関与しました。
会社売却のM&Aアドバイザーとなる業者を決めたところで、あとはそちらに任せて奥村はお役御免になるケースもあります。
しかし今回の場合は、社長より「M&Aが完全に終わるまでは顧問で残って欲しい」と請われました。
その結果、トップ面談にも同席することになったわけです。
社長としてはM&Aの交渉や、買い手が決まった後の社内でのやり取りなどにも、奥村の見解や経験を頼りにしてくれています。
専門業者だけでなく、昨今は資格業の専門家でも「M&Aをやっています」と言います。
奥村とこれらの他者との違いは伝わるでしょうか。
一般的に仕事でM&Aをやっていますと言えばアドバイザーの仕事のことです。
会社を売ることが決まった後の、相手探しや交渉を担います。
これに対し、奥村の仕事では「M&Aのアドバイザー“も”やることがあります」というのが正確なところです。
あくまで、社長の将来ビジョンを固め、それを実現する作戦づくりが主たる役割なのです。
このケースでは、
「本当に会社を売るのかどうか」
「売った後の人生はどうするか」
「どうやって売るか」
などの根っこの部分についてコミットしてきました。
いわば、社長の「こうしたい」「こうなりたい」をかなえることが目的で、そのための手口はなんだっていいのです。
一方のM&A業者等は「会社を売ること」が目的です。
ここが他の人たちとは大いに似て非なる点です。
事実、この案件で私は、M&Aアドバイザーの役割はしていません。
やってやれなかったことはないでしょう。
しかし、状況を総合的に考えた結果、奥村が自分でやるよりM&A業者を利用したほうが良いと判断しました。
そのM&A業者の中でも、今回の案件にふさわしいと思うところを推薦しています。
M&Aというもの自体、目的をかなえる手段です。
M&A業者は、道具のひとつです。
私が軸足を置くのはそちらではなく、もっと上流かつ根本的なところです。
ちなみに、何も考えずにM&Aアドバイザーとして会社を淡々と売り続けたほうがずっと儲かるのでしょうが・・・(汗
社長に寄り添い、社長の頭や心の一部になることが自分の役割だと定義しています。
たしかに、M&Aアドバイザーとして自分が道具(手口)になることもあります。
しかし、それはたまたまの結果です。
目的のために、どんな道具をいかに使うべきかを考えることが本来の役目です。
その結果、奥村が道具の役割まで果たしたということにすぎません。
売り手の一員としてトップ面談に出席したというのは、奥村らしい仕事でした。
とはいえ、やっぱり奥村の仕事ってわかりにくいですね。
それでも「こいつは何か他と違う」と感じて下さった皆さんが、全国から声をかけてくださっています。
ありがたいことです。
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