『地図に残る仕事』
かつての大成建設のCMは、コンサルティングというある種の虚業を営む奥村にとってうらやましいものがありました。
特に私の場合、暗躍、という言葉がピッタリの働き方なので・・・
この度、奥村たちが手掛けたM&Aのお仕事が、日刊工業新聞に載ったようです。
自分がやった仕事が日の目を見るのは珍しいので、感慨深いものがあります。
このM&A案件もカレンシア社の柿本さん(中小企業診断士)と一緒に取り組みました。
この案件、会社の売却に挑戦するまでは時間がかかりました。
売り手の社長は、奥村の著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』を書店で手に取り、相談を申し込んでくれました。
これまでは堅実な仕事で、健全な経営を続けてきました。
財務内容もバッチリです。
しかし、こらからの難しい経営環境を思うと、もうどうしたらいいかわからない。
「もしかしたら、早めに会社を廃業させてみんな解散したほうがいいのかもしれない」
こんなことまで社長は考えていらっしゃいました。
社長は、本当はどうしたいのか。
何を大切にしたいのか。
こんなところから一緒に点検し、最終的にはM&Aを試みることに決めました。
力のある企業の傘下に入り、自社の持ち味や強みを活かしてもらうことが、会社にとっての幸せにつながるだろうという思惑です。
M&Aへのチャレンジ備え、会社分割を使って不動産を社長の手元に残すための下準備などを行いました。
方針が決まってからは、とんとん拍子で話が進みました。
売り出すまでの葛藤が大きかったけれど、それが結局よかったように思います。
この段階から、カレンシア社の柿本さんにも加わってもらいました。
買い手探しや相手との折衝は柿本さんが中心となり、奥村は一歩下がって全体を見渡し、漏れや大きな問題が起きない目を光らせます。
トップ面談などのポイントとなる局面では動きます。
M&A案件では、スピードアップが求められるフェーズがあります。
アドバイザーが売り手買い手の間に入って、話をまとめる営業マン的な動きをする場面です。
しかし奥村はM&Aだけを専門的にやっているのではありません。
廃業や社内承継のコンサルティングなども抱えていて、じっくり作戦を考える姿勢が仕事の基本スタンスです。
もとめられる動き方のギャップは、M&A案件を手掛けるうえでの弱点でした。
しかし、柿本さんをはじめとするパートナーと組んで動くようになってからは、このあたりを十二分にフォローしてもらえるようになりました。
すべてを一人でやっていたときよりずっといい感じです。
とくに、柿本さんとのコンビはこのところ好調がよく、困難が予想された案件でも結果を出せています。
意思決定のサポートや、全体を見て作戦練ることが得意な奥村と、買い手候補を見つけて成約までもっていく馬力と気遣いを兼ね備えた柿本さん。
かけ算で成果を生めています。