中小企業の経営者に対して、生命保険を使った事業承継の対策を提案しているという保険外交員の方とお話する機会がありました。
「子供はうちの会社の仕事なんてしないし、従業員が会社を継げるわけもない。事業承継なんて考えていられないんだよ」
と社長から言われて困るケースがあると。
たしかに、子供は会社を継ぐ気が無い、
従業員には継がせられない、
(そう思い込んでいるときもあり)
こうゆう状況の中小企業はたくさんあります。
そのときに、事業承継という切り口で提案を受けたらそう答えられてしまうのが普通なのかもしれません。
でも、です。
事業承継ができないという社長の意見を、仮に正しいものとしたとしましょう。
事業承継ができないからといって、何もしない、何の準備もしないでいいかといえば、それはまったく別の話になります。
永遠に社長が社長を続けることはできないのですから、いつか、何かを選択しなければいけません。
また、誰かに社長を継がせない状況が続けば、その間に不測の事態や、好ましくない状況に陥ることもありえます。
そうなったときの備えを用意しておいていただきたいところです。
「後継者がいないんだったら、会社はM&Aで売ればいいのでは?」
多少知っている方は、こう思うのかもしれません。
それでもやっぱり、絶対に売れるのか、
売れなかったらどうするのか、なのです。
満足できるように売るためには、売るための事前の取り組みが大切です。
現実には、売りに出しても売れない会社がたくさんあります。
ならば、会社を売りに出したけれども売れなかったという状況まで視野に入れておくべきでしょう。
事業承継全般の話としては、悪いケースから先に考えて、準備をしておくというスタンスが正解となります。