やっぱり廃業しておけばよかった・・・
奥村は会社再生の相談も受けています。
その多くはタイミングを逃していて
自主的な復活は困難な状況だったりします。
まさに倒産間際です。
で、お話を聞いていると
「あのとき会社を廃業させておけばよかったな」
と後悔される社長が結構いらっしゃいます。
良いタイミングで会社をたたんでいたら、
少しは資産を残せたケースも。
痛々しいです。
どうにかしなければいけない、
と責任を感じていたのか。
または、続けていれば何とかなるだろうと
希望的観測をしていたのか。
人それぞれでしょう。
いずれにせよ、ズルズルと営業を続けてしまい
状況をより悪化させてしまったということのようです。
廃業デッドラインのススメ
決断しておかなければいけないときにできない。
厳しい道より、楽な道を選んでしまう。
普通の人間はこんなものなのでしょう。
スパッと決断できる人なんて
そうそういるわけありません。
やめる決断より、これまでどおり続けるほうが
そのときは楽なものです。
しかし、だからといってズルズルと
悪い方向に流され続けてしまっていい
というわけではありません。
問題はより大きくなり、
結果的にご本人への損害を増やすことに
なってしまうものです。
せっかく傾向が分かっているのだったら、
あらかじめ手を打っておきたいところ。
そこで『廃業のデッドライン』を
事前に引いておくことをおすすめします。
ある条件に該当したらもう迷わず廃業するように
条件設定をしておくのです。
廃業をする条件を決めておけば、
「気づいたら会社は
どうにもならない状況まで悪化していた」
という最悪のパターンは防げます。
廃業デッドラインの引き方
そんなデッドラインはどのように引けばいいか。
思いつく方法をいくつかあげてみます。
①借金の額で決める
借金がある程度まで増えたら
自動的に廃業の決断をする方法です。
借金のものさしの作り方で
さらに分かれます。
・対売上
例)
「借金が年商の半分以上になったら会社をたたむ」
・対資産
例)
「資産-負債で負債が上回るようになったら廃業する」
「現預金が〇〇万円より減ったらやめる」
②時間で決める
タイムリミットを決めておく方法です。
社長が若い場合は機能しづらいかもしれません。
例)
「自分が65歳になった時点で後継者がいなければ廃業する」
③営業利益で決める
営業利益が出ないということは、
資本主義の原理原則では会社の存在価値がないとされます。
赤字が続いたら素直に会社をたたむ判断をする方法も一案です。
例)
「3年赤字で決算をしたら廃業する」
どの方法でラインを引くかは、
会社の状況や社長の好みによって変わるところでしょう。
各社の状況に合わせて検討してください。
廃業の判断を自動化させる
とにかく大切なことは
「考えないで自動的に廃業するようにしておくこと」
です。
考えて判断しようとすると、
どうしても情や未練に引っ張られてしまいがちです。
会社や仕事への想いが強いほど、
考えたらやめられなくなります。
「もう少し借金をして投資すれば会社は復活できる」
と根拠のないストーリーを信じてしまったりも。
余計に借金を増やし、
より傷を悪化させるパターンです。
「あの時会社をたたんでいれば・・・」と、ならないで済むように、
デッドラインを引いてください。
できれば手元に資産を残して終わりにしていただきたいところです。
廃業の決断時に感情を働かせないことが
なにより大切です。
廃業するのが嫌ならば、
デッドラインに引っかかる前までに
「これが最後のチャンス」
と思って悔いのないよう経営に励みましょう。
突き放すような言い方で申し訳ありませんが、
それしかないと思います。
★★関連サイトのご紹介★★
会社分割ドットコム
分社手法の活用で事業承継や会社再生、
組織変更を切り抜ける方法
事業承継・廃業相談室
社長交代や相続、後継者育成など
中小企業の出口戦略の本当のところを
ひょうごエンジン
奥村が手掛ける地域活動。
空き家のリノベーションや地域おこしのプロジェクト