【新刊】『0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円 個人でできる「事業買収」入門』
京都を中心に活躍してきた不動産プランナーの岸本千佳さんの著書『不動産プランナー流 建築リノベーション(学芸出版社)』を手に取りました。
著者は、僕がシェアハウスを作りたいと思い立ったときに、何から何まで委ねたお相手です。
その後、彼女は売れっ子となりました。
(不思議と僕が仕事をお願いした人は売れます)
専門家が仕事の姿勢を見直すきっかけに
不動産の仕入れから物件の企画、さらにはその後の運営まで一気通貫で関わる彼女。
その仕事の流れや考え方、こだわり方が本にはふんだんに記されています。
業界のことを良く知らない人からすれば、「そんなの普通じゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、これまでは業者間の壁だったり、効率的に利益を求める姿勢だったり、そもそも仕事を受ける側の能力不足だったりで、それぞれのフェーズはバラバラになっていました。
そうなると面倒が増えたり、企画の一貫性を欠いたり、さらには責任の所在が分からなくなったり・・・という不都合が起きます。
そのツケはユーザーに回っていました。
「自分がオーナーの立場だとしたら、一貫して自分の代わりになってくれる存在がいたらどんなに心強いだろう。」(本書より)
彼女は、そんな不都合に気づき、自分だけの仕事のスタイルを作りました。
世の中の変化の流れも後押ししたことでしょう。
僕の仕事のやり方や変遷とすごく似ていると感じています。
この本が、不動産や建築に関わる人にとって役立つは当然です。
彼女が身体を張って手にした経験のおすそ分けを、たかだか数千円でもらえるのですから。
さらには、専門家やプロフェッショナルと呼ばれる人たちです。
たとえば弁護士や税理士などの資格業の人などを想定します。。
デザイナーやプログラマーや、行政等の支援者も入るでしょう。
仕事で、クライアントの問題解決を実現しようとする立場の人は、岸本さんの姿勢や経験から学べることがきっとたくさんあるはずです。
日々の仕事でなにか悶々としたものを感じているならば、仕事のやり方を見直すきっかけになるのではないでしょうか。
問題解決を依頼する人にこそ読んでほしい
それ以上に、この本をおすすめしたいのが「専門家等に仕事を依頼しようとしている人」です。
外部の人間の力を活用しようとする方に、読んだいただきたいと思いました。
どうやって解決してくれる人をさがし、どう接し、どんなスタンスで仕事を投げればいいのか。
こんな視点でこの本を読めば、意味深い学びがあることでしょう。
こんな依頼の失敗が繰り返されている
わざわざこんなことを言うというのは、そう、仕事の出し方が下手な人が世の中ににあふれかえっていると感じているからです。
たとえば「知り合いに紹介されたというだけで、解決能力のない専門家に話を依頼してしまうケース」。
資格などだけで仕事を依頼する相手を選んでしまい、ミスマッチが発生しているケースは山のようにあります。
「表面上の相談だけを繰り返し、いつまでもさまよい続ける人」もいます。
真に問題を解決しようと思ったら、問題解決を委ねる人を決めて、投資をしなければいけません。
それをいつまでも行わず、ただ無料相談等の機会を渡り歩いたりします。
なお、自分に都合の良いことを言ってくれる人が見つかるまでフラフラする人もいますが、たいてい失敗するパターンです。
また、目先のお金しか考えていない人もいます。
投資の先にあるメリットや未来の姿まで視野に入れてものを考えていません。
もちろん失敗につながります。
最初の何も決まっていない段階から「いくら?」と費用ばかりを気にする姿勢に、このあたりの傾向が現れたりします。
専門家サイドとしては、どんな手を打っていいのか見えていないのに、見積もりなんて出せるはずもないのですが・・・
専門家に対して「こうやってください」と、具体的な細部のやり方を指定する人も注意が必要です。
せっかくの専門家の頭を使えないことになりがちです。
目指したいゴールと予算などの条件を伝えたうえで、どんな方法で実現するかは専門家の頭で考えてもらうのが、本来は成功可能性が高く、効率的なはずです。
外部の専門家を上手く使う2つのポイント
現代では、問題がより複雑、かつ、難しいものになっているように思います。
そして自分では解決できないからこそ、外部の人材の力を借りようとしているはずです。
こんな場面は増えていることでしょう。
なのに、単なる作業をさせるときと同じようなスタンスの人が、いまだにたくさんいます。
それではうまく外部の力を活用できません。
オムロンの体温計「けんおんくん」や無印良品のソファーをデザインんし、女性初のグッドデザイン賞審査委員長を務めるプロダクトデザイナーの柴田文江さんは、先日の週刊東洋経済のインタビューでこう語っていました。
日本企業がデザイナーを有効に使えていないというテーマに対し、
①「知り合いのつてを頼りなんとなく決めてしまうのではなく、そこで一歩踏みとどまって本気でデザイナーを探すこと」
②「一緒に仕事をすることになったデザイナーをチームの一員として考えること」
と、2つのポイントを挙げています。
後者につき、僕なりの補足をすると、次のどちらかに偏って上手くかないケースがよくあります。
「自分は客で、相手はただの業者なのだ」ととらえる人。
もう一つは、
「専門家に依頼さえすれば後はどうにかしてくれるもの」と依存する人です。
(このタイプは失敗したときの責任を他人のせいにします)
問題解決を依頼する専門家は、下の存在でもなければ、依存する相手でもありません。
仲間でありパートナーなのです。
彼ら、彼女らがいきいきと力を発揮してくれるような環境を作ることが、上手に外部の力を活用するコツです。
となれば、情報や資金の出し惜しみをすべきではありません。
プロの仕事のやり方を尊重するべきです。
もしあなたが、そこまでする価値を相手に見いだせないならば、そもそも問題解決のパートナー選びから間違っている可能性が高いでしょう。
岸本さんの本には、仕事を引き受ける側の背景が載っています。
そこから、どんな人に、どう仕事を発注すれば上手くいくのかというエッセンスが読み取れるはずです。
外部の専門家と良い関係を築いて、より大きな恩恵を手にできる人が増えることを願っています。
それがまっとうな仕事をする専門家を増やすことにもつながるはずです。
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