運送業の事業継承・廃業を考える
運送業の「出口」を考えてみましょう。
運送業の事業継承は?
運送業は、物を運ぶことを提供することが価値なので、
比較的事業継承をしやすい業態です。
その人ならではの個性や技を売りにしている商売と比べれば、
世代交代でお客さんが離れる可能性は少ないでしょう。
しかし、業界内の動きは、変動が大きい様子です。
業界再編が盛んになっています。
また、人手不足などの問題もあります。
買いたたかれている場合もあるので、
上手に利益を確保できるようにもしなければなりません。
運送業の会社を継いでいく方は、
こんな荒波を乗り越えるかじ取りが求められます。
運送業の業績は千差万別ですが、
ニッチなところで営業している会社が
比較的安定した業績を上げている気がします。
狭い得意領域で戦うか、広い戦場で戦うか。
大きくやるか、小さく手堅くやるか。
後継者となる方は、事業継承後の戦略を描いてください。
事業継承の手続き
会社をそのまま先代から引き継ぐならば、
株式の譲渡をすれば事業継承は完了します。
売買や贈与、相続などで
後継者の手元に株式が届くようにしてください。
また、会社分割を使って一部だけの承継も可能です。
運送業の場合は営業許可の承継が必要な業態です。
必要な要件を満たし、手続きをぬかりなく行うよう注意してくだささい。
運送業のМ&Aなら
運送業の世界では、М&Aが盛んになっています。
後継者がいないため会社を売却に出す社長が増えているのでしょう。
また、業界内での競争争うのため、
シェアを獲得しようと積極的に買収している会社もあります。
新たな地域に進出したい会社があれば、
М&Aでその地区にある会社をトラックとスタッフごと購入できれば、
楽に早く事業領域を広げられるのです。
業態としても運送業は売りやすいので、
М&Aを出口とするチャンスは高めなのだと思います。
運送業の廃業・清算なら
運送業の廃業の場合、一番のポイントは車の処分でしょう。
所有している車の処分ならば、
買い取りの見積もりを数社から出してもらい、
一番高く売れるところに売るのがいいでしょう。
廃業を機に他社へ転籍したり、
独立従業員がいる場合は、
相手の会社から車も買ってもらうことができるかもしれません。
こんな時の売値は「時価」を基準に決めてください。
減価償却の関係で帳簿価格が低くなっている場合がありますが、
取引は時価をベースにするべきです。
債権者がいるようなケースでは、
時価よりも安い値で売却している場合は、
クレームをつけられることもあります。
車の売却ができれば駐車場が不要になります。
ただし、売却が完了してから駐車場の解約を通知したのでは、
その後数カ月、無駄な賃料を
払い続けなければいけなくなるかもしれません。
車の処分のタイミングを計りながら、早めに通知をしましょう。