これまでやってきたし、これからもこのまま続けてきそうな気がする・・・
社長は無意識で、こう感じているかもしれません。
しかし、時限爆弾は、確実に時を刻んでいます。
希望的観測にすぎないのです。
仕事が減っていることは感じつつも続けているうちに、気が付けば借金で首が回らない状況になって青ざめる社長がいます。
会社の老朽化という時限爆弾のタイマーが進んでいたパターンです。
一方で、事業の収支は順調だったものの、ある日突然社長が倒れたり、時には急死してしまったり・・・
時限爆弾が、個人の健康問題や寿命が爆発してしまったパターンです。
「このままずっとは、ない」
人生の後半に差し掛かった社長には、特に再確認していただきたい事実です。
そして、この事実をふまえ、会社の着地問題にどう向き合いますか?
会社を誰かに継がせるのか、自主的にたたむのか、それとも外部へ委ねるのか。
これらの問題を「会社の着地問題」と呼んでいます。
会社の着地問題を放置すれば、最終的には、会社の老朽化か、社長個人の健康障害等による続行不能のどちらかです。
社長が自分で動かなければ、いつか主導権は奪われます。
守るべき者を守れなくなり、残せたものも残せなくなります。
見て見ぬふりをすて、問題を放置するのか。
現実に向き合って、備えをしておくのか。
これまで様々な場面を見てきましたが、やっぱり、後者がいいです。
切羽詰まってからでは、もう策はほとんど残されていません。
でも、先に手を打てば違います。
取引先や従業員への損害を回避したり、連帯保証で自宅を失うことを防いだり、家族や自分を未来の禍から助けることもできます。
それ以上に意味のあることは、社長の精神面へのプラスなのかもしれません。
積極的かつ能動的に取り組めば、心は安定するし、使命感が気持ちを強くしてくれるのです。
最近では市民権を得た、“終活”という取り組みで考えてみましょう。
終活は、人生の最期を迎えるにあたっての準備を行うことを意味する言葉です。
「遺言を書く」
「生前に身辺を片付けておく」
これらをやらされてやったのでは、ちっともうれしくありません。
でも、なにかのきっかけで、自ら「終活しよう!」と啓蒙された人は違います。
取り組む意義を感じて、いきいきと取り組めます。
身軽になっていくことでスッキリし、よい気分を感じられます。
活動にハマってしまい、「終活そのものが楽しくなった」なんて感想を聞いたことも聞いたことがあります。
なにかヒントを感じませんか。
会社の着地問題も同様のスタンスで接してみてはいかがでしょうか。
いやいやでもなく、追い込まれてからやるでもない。
もちろん、見て見ぬふりしてほうっておくでもない。
目指すところを見つけて、能動的に取り組んでいく。
こんなスタンスをとることで、勇気や元気が湧いてきます。
べつに、今すぐ社長を辞めてくださいと言っているのではありません。
先を考えて作戦を立てておきましょう、ということなのです。
手始めに会社の着地関連の本を手に取ってみるのもいいと思います。
相談してみることは、もっとおすすめです。
この原稿をお読みいただいた社長が、「会社の着地は自主的かつ積極的に取り組むテーマだ」受け取っていただければ、私はうれしいです。