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チャンスはどこに落ちているか?

ある事業主の方が、僕のことをたまたま知ってイベントに来てくださいました。

「ひと昔前の業績は良かったのですが、右肩下がりの状況が続き、かなり悪い状態まできています。

ずっと、どうしようか悩んで引きこもっていましたが、ようやく外に出ようと思えるようになりました・・・」

ちょっと苦しそうに、ちょっと恥ずかしそうに、こんな近況を語ってくださいました。

 

経営の調子がずっといいことなんて、普通ないのでしょう。

悪い時もあって当たり前。

しかし、状況が悪くなると外に出たくなくなる気持ちもすごく分かります。

どうしても内にこもってしまいたくなるでしょう。

 

たとえば、同窓会。

いま上手くいっていない人は、参加しづらいものではありませんか。

参加してくる知り合いは、いま幸せだったり、自信がある人のほうが多そうです。

そんな相手から「いまどうしているの?」と聞かれる度に、心が痛むことが予想されます。

やっぱり参加を見送りたくなりそうです・・・

 

調子が悪いと、外に出てさらに嫌な気分になることを避けたくなります。

だからといって、内にこもっていれば状況は良くなってくれるのか。

そんなこともなさそうです。

 

仕事やチャンスはどこにあるでしょうか。

自分の中ではありません。

外の世界にあるはずです。

また、仕事をうまくやるには相手との良好な関係を作ったり、社会の中で自分の居場所を作る必要があります。

ところが内に引きこもっていては、外界との関係性が閉ざされていきます。

よりうまくいかなくなるでしょう。

 

こう考えれば内向きになって引きこもっていては、余計に成功から遠ざかることがわかります。

ならば苦しくても、いや苦しいからこそ、外に飛び出していくべきです。

しかし、言うは易し。

人間にはプライドも、見栄も、恥じらいもあります。

一度でもいい時期があったなら、それらはより強くなるかもしれません。

 

苦しい状況でもあえて外に出る。

そして、状況が苦しいと他者に言える。

本当にすごいことだと思います。

僕はこの事業主さんを称えます。

どうにか復活してもらいたいと願います。

もし神様がいるなら、その覚悟や勇気、がんばりをちゃんと受け取って欲しいです。

 

外に気持ちが向くようになっただけで、会社が復活できるかはわかりません。

それでも大きなハードルを超えたことに間違いはないはずです。

ようこそ、復活への可能性が待っている外の世界へ。

 

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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