勉強会「八丁堀評定」は、3月23日(火)
テーマは「経営に活かす! コロナ大反省会」
「先生、やっぱり事業を続けさせてください」
北陸のお客さんから連絡がありました。
元々は本社を売却し、そのまま事業を廃止する計画を立てていました。
後継者はいないし、売り上げの下降が何年も続いています。
社長夫婦はお二人とも70代後半で、健康面の不安も無視できなくなっていたのです。
担保をつけていた金融機関との折衝もうまくいき、本社物件を売って手元にそれなりのお金を確保することができました。
当初の思惑では、そのままフェードアウトしましょう・・・と。
「やっぱり仕事を続けたい」
しかし、気持ちが変わったそうです。
「このまま家に閉じこもっていていたらすぐボケちゃうよ。
それよりなによりお客さんの顔見たいんだ」
こう言われちゃ、私に止めることなんてできません。
普通に状況を考えれば、止めさせるのがセオリーなのはわかっています。
今後の生活費のためにどうにか確保したお金すら失う可能性もあるのですから。。。
でも、その人の生き様こそが、私はもっとも大切だと思っています。
最近手にした哲学書にも、「何かを志向し、能動的に生きることこそが人間の幸せ」とありました。
会社のために自分を犠牲にするのではない。
自分の幸せのために会社もある、という立場を私は取ります。
私のことは廃業や事業承継のプロとして認識してもらっているようです。
でも自分では、会社をたたんだり、会社を誰かに継がせることを目的とはしていません。
それらはあくまで仕事の不随的な結果です。
社長人生を最後まで納得したものにしてもらうことこそが、私の使命です。
「そろそろ社長をやめようと思っている」となれば、最良の着地プランを練ります。
逆に「まだまだ続けたい」となれば、どうにかその機会を演出しようとするだけです。
こちらの社長夫婦には、念のため事業を続けることのリスクを確認してもらいました。
それでも「やりたい」との回答があったので、続けるうえでの注意点やルール、工夫などを伝えました。
「奥村先生にせっかくここまでしていただいたのに、気が変わって申しわけありません」と、社長の奥様は恐縮していました。
私は全然いいのです。
ご本人が納得してさえくだされば。
「気が済むまでやってください。最後は僕がどうにかしますから」
こう背中を押して緊急ミーティングは終了となりました。
私は、社長のセイフティネットです。
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