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情報弱者になりたくないから、いろんなところに相談に行く・・・

「いわゆる『情報弱者』になりたくない。

そう思って、いろんな人に相談しました。

そうしたら、言われることが違って、結局混乱してしまいました・・・」


「情報」という言葉にたいして、無条件に肯定的な感覚を抱く方がいらっしゃるのかもしれません。

しかし本来、情報というのは良くも悪くもないフラットなもの。

情報が溢れかえる今となっては「とにかく情報を集めればいい」という姿勢は、悪のような気すらします。

(どんなに栄養がある食べ物だって、食べ過ぎたら健康を害するのと同じです)

情報に振り回される人、情報により不安を掻き立てられてる人が僕には目につきます。



こちらの社長は、廃業をしようかどうか悩んでいました。


M&A業者に聞いたら「会社を売るべきだ。それも今すぐだ」と言われました。

なんで今すぐじゃなければいけないのか?

赤字の状況でも売れるのか?

でも、質問をしても、明確な答えはもらえませんでした。



顧問税理士に聞いたら「こんな会社が廃業なんてあり得ない」と言いました。

じゃあどうしたらいいのか?

やっぱり答えてもらえません。



事業引継ぎ支援センターにも相談に行ったことがあります。

そこでは「PLが赤字でBSは大きな資産超過だからM&Aでは売れません」と明確に言われました。


みんな言うことがバラバラです。

社長の頭は混乱し、収拾がつかなくなってしまいました。



相談に乗った人が、意図的に「害となる情報を出そう」とするひどいケースは稀でしょう。

相手を混乱させようと思ってアドバイスしているわけでもありません。



それなのにどうして相談者は、混乱の世界につき落とされてしまうのか?


多くの相談を受けた人間は、好き勝手にアドバイスをするからです。


例えば、自分の思い込みだけで話をするケース。

「俺は昔こうやってうまくやったから、こうやればできる」なんてアドバイスはその典型。

たまたま条件がそろってできたことを、さも普遍的な法則だと思い込んで話をする人があまりにたくさんいます。



また、自分に都合の良い流れにしたいからそんな話をするケースもあります。

いわゆるポジショントークです。

M&A業者の「今すぐ会社を売るべきだ」なんてまさにそれ。




みんながみんな、底の浅いところで言いたいことを言います。

そんなの全部聞いていたら混乱しないほうが異常です。




相談を受けた人間が、ちゃんとしたアドバイスを提供するためには、次の要素が必要だと考えます。



①「相手のニーズや状況をくみ取って、本当に相手にふさわしいアドバイスをしようとする姿勢」

②「問題の全体像や現場が見えていて、実際によりより解決策を提示できる力」

この2つです。


専門家を名乗る人であっても、多くは自分が言いたいことを言うので、①の時点でアウトです。


もし①をクリアできたとしても、視野や知見が狭ければやっぱり不足です。

②の問題です

たとえばM&Aの相談を受けたときでも、比較対象となる廃業や倒産、相続、社内承継まで分かっていなければベストなアドバイスはできません。




ここのポイントがわかれば、相談を持ち掛ける側の人も「相談の仕方」が見えてきます。

誰でも構わず相談をすればいいなんてことはありません。

ましてや、相談の数をこなせばいいというのでも、当然ありません。

先ほどの①と②の要素を押さえ、あなたの抱えている問題を解決できる可能性が高そうな人間を見極めてから相談をすべきだということになります。




こう考えれば、相手がどんな人間かも分からないのに「無料だから相談してみようか」なんて姿勢は間違っていると感じることでしょう。

でも、ちまたの相談はこんなレベルのものだらけです。


毎度毎度の話ですが、みなさん相談という行為をあまく見すぎです。


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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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