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m&aは事業主にとっての誉です

東京出張二日目。

今夜の飛行機で神戸に帰ります。

本日は、小さな会社のМ&Aのお仕事に従事されている方とお会いしました。

 

唐突ですが、事業主がほめてもらえることって本当に少ないです。

頑張ったところで「よくやった」って言ってくれる上司はいません。

配偶者だって社長の仕事にほとんど関心を持っていない場合も・・・

だからでしょうか。

お姉さんがいる店でお酒飲むのが好きな社長は、本当はほめてもらいたいのかもしれませんね。

 

もしМ&Aで自分の会社を売却できたら、そのときはきっと、ほめられたのと同じように感じると思います。

自分た育てた事業に対し、わざわざお金を払って買ってもらえるのですから。

事業を評価しているということだし、それを作った社長への評価でもあります。

 

僕は、自分が立ち上げた司法書士事務所を他社に引き継いでもらいました。

その相手の社長から「奥村さんのところにいたスタッフはみんなすごく優秀だね」と言ってもらったことがあります。

これは本当にうれしかった。

やはり、自分の事業を途中で手放し、スタッフたちと別れることに、情けなさや負い目、無念さを心のどこかで感じていましたから・・・

でも僕のもとで、他社で十分な戦力になるぐらいの力を身につけてくれたことで救われた気持ちになりました。

そして、自分がやってきたことを肯定してもらえた気もしました。

経営を続けている限り、М&Aでもしないかぎり、満たされることのなかった気持ちでしょう。

経営者時代には感じられないしみじみとした喜びでした。

 

社長の終わり方として、すべてのケースでМ&Aが最良だとは思いません。

会社の売却ありきで考えるのはやめて欲しいです。

でも、「あなたの会社が欲しい」と他社から評価してもらえたなら、それは素直に喜んでいいのではないでしょうか。

ずっと会社を頑張ってきたあなたへのご褒美です。

 

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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