子供に会社を引き継ぐ場合
一番オーソドックスな事業承継といえる『子供への会社引継ぎ』を考えてみます。
シンプルな形態ですが、けっして簡単ではない事業承継のかたちです。上手くいかなかったケースは、ちまたには山のように積みあがっています。
また近年、事業継承のパターンの中で、この子供が会社を引き継ぐケースの割合は減少傾向にあります。背景に価値観や生活環境の変化などがあるためです。
子供が大学や就職で地元を離れて帰ってこなくなるケースがその典型。事業を営む親も「会社を継ぐよりも、大企業の従業員や公務員などの安定した職の方がいい」と考える人が増えたように思います。
子供への事業引継ぎの問題点の数々
「親がやっていた会社なんだから子供が継ぐのが本来の形」と考える方は今でも多いのでしょう。時代は変わっても、それが基本かもしれません。
しかし、あまく見ては痛い目に合うかもしれません。事業承継で親子関係がこじれてしまうケースや多々あります。
後継者候補として入社させたものの、社長である親と上手くいかなくなって結局会社を去ってしまった・・・などはその典型です。関係が近いからこそ感情的になったり、距離感を詰めすぎたりしやすいのでしょう。
親の方は会社を継がせたいのに、勤め人になった子供にはその気がないというパターンも。最近では反対に、子供は会社を継いでもいいと思っているのに、親の方がそれを許さないというケースも増えてきたような気がします。
会社の現状や業界の先行きから、子供に事業継承をしたら不幸にさせてしまうと考えるのでしょう。
複数のお子さんがすでに入社して働いている場合、誰を後継者として選んだらいいのかという悩みを抱える社長さんがいらっしゃるかもしれません。
後継者の経営者教育はどうしたらいいのかに頭を悩ませている社長もいらっしゃるかもしれません。
そもそも事業が稼げていない。借金が膨らんでいる。「こんな会社を継がせていいのか」という悩みを抱えている社長が多くなっているのも、成熟社会を迎えた今どきの事業承継です。
(参考)
→「誰に事業を引き継ぐべきか」
→「借金が大きくなり過ぎた事業引継ぎ」
会社引継ぎの論点は3つ
後継者が無事に決まったとしましょう。次は具体的な承継のやり方を詰めることになります。ポイントは、①経営権、②株式、③後継者育成に分けて考えられます。
①経営権では、決裁権や裁量の後継者への引継ぎがテーマです。社内でのリーダーシップの問題も含まれるでしょう。
②株式は、所有物としての会社の引き継がせ方を問います。法的にどのように承継するかと、それに付随する税金の問題があります。
最後の③は社長を務められるようにするための後継者教育の問題です。
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