先日社長のイスを後進へ譲ったお客様にインタビューができました。
福祉関係の会社を経営していたH子社長のお話をご紹介します。
―2週間前に社長を退任されましたが、今はどのようなお気持ちでしょうか?
寂しいと言う気持ちはなくて、今の気持ちはホッとしたという感覚が一番近いでしょうか。
世の中が変わって、さらに新型コロナもあって、会社も変わらなければいけないと分かっていたけど、自分ではできませんでした。
自分も年齢を重ね、能力もだんだん衰えてきて・・・・
ミスもさらに多くなったし(笑)
ちょっと引っ張り過ぎたというくらいだと思います。
頼れる人たちがそばにいて、会社をまかせることができてほっとしています。
―社長歴44年は長いですね。
36歳くらいから社長をやっていますから。(笑)
当時は手広くやるつもりはなかったし、まさかこんな会社になるとは思いませんでした。
現場の人ががんばってくれたからやってこれました。
―長く続けてこれた秘訣はありますか?
自分はいろんなことをやってきました。
この会社の本業以外にも、いくつか事業を立ち上げたことがあります。
興味に合わせて自分の時間を過ごせていたたから、ストレスがなかったのかなぁ。
あとは、現場のことを現場の人に任せてきたことでしょう。
本当ならばもっと運用などを統合して、利益をもっと生む会社にできたのかもしれません。
でも、ギュウギュウに縛るのは自分も社員さんもしんどいなぁ、なんて。
―事業承継をすると決めてからゴールを迎えるまではどうでしたか?
ご存じのように私は好き放題させていただいたので、いろいろ散らかったままとなっていました。
会社は複数あるし、資産や家族の関係も整理しなければいけません。
でも話だけでなかなか前に進みませんでした。
それこそ口を出してくる人はいたけれど、どれも断片的で・・・
奥村さんにお任せするようになってからは、そんな状況が一変しました。
確実に、スピード感をもって話が進んで。
おかげで安心できました。
―社長をやっていてうれしかったことは?
うれしかったのは、従業員が私に対して壁を作らないで接してくれたこと。
仕事をしやすくしたいと思ってそうしてきたし、従業員もそれに応えてくれました。
―何か悔いが残っている点はありますか?
ある地域へ事業展開を広げるために出店したのですが、そのフォローを十分してあげられなかったことですね。
現場の担当者任せになってしまいました。
力を入れられればもっと売上を作れる見込みはあったのですが、私に余裕がなかったですね。
次の社長が花を開かせてくれることに期待します。
―次の社長に対して想うことは?
私は何もとやかく言うつもりもないので、今後の会社のことは自主性に任せます。
新社長は私よりも能力があることは間違いありません。
大企業含め、様々な職場を渡り歩いてきた人なので、自分が提供できなかったことをやってくれるはずです。
どうぞ好きにやってください、という感じです(笑)
フラフラしていた私とちがって、ちゃんと会社にいてくれるというのは従業員からしても心強いでしょう。
―最後に、もし生まれ変わったとしても、もう一回社長をやりますか?
どうかなぁ。(笑)
やるんでしょうね、きっと。
家の中で大人しくしている自分も想像がつかないし。 仕事が好きだし、人と接して何か新しいものを作ることが好きですから。