昨日、鳥取の信用保証組合さんで、職員さん向けに講義をさせていただきました。
夏ぐらいから、事業承継支援についてのレクチャーをリクエストされていました。
ただし、「普通の話をして欲しいわけでもない……」という裏のニュアンスもありました。
わざわざ奥村に声をかけていただいた背景には「よくある事業承継にまつわる税金や法律の話ではないところ」が、求められていたのです。
言葉にはしにくいのですが、その感覚はよくわかります。
公的な立ち位置で支援する立場の方のところには、上から「こんなことやってよ」と施策が降りてきます。
しかし、その施策を持って現場に向かうと、温度感のギャップに苦しみます。
上からの施策は、社長が事業承継に関心を持ち、積極的に取り組んでいこうとしていることを前提としています。
でも、社長の本当のところは、全然関心がなかったり、まだまだやる気が欠けていたりします。
この隔たりがとても大きい。
そんな理想と現実のギャップを埋める学びの場を求めていらっしゃったようです。
僕も、そこが難しく、かつ、とても大切だと思っています。
一歩進むために、社長の気持ちを整えること。
社長の価値や思考を確認し、明確にすること。
そのうえで、どこを目指すかを一緒に共有すること。
こんな根本の議論こそが大切です。
一方、事業承継を支援する一般的な専門家は見落としていたりします。
どう扱ていいものか分かりづらい面でもあります。
結果、事業承継というと法律や税金などの枝葉の話に終始しがちだったり、と。
感情や思考を扱うところなので、簡単にノウハウを教えることができる内容ではありません。
それでも、受講生のみなさんに、手触りのようなものは感じていただけたのではないかと思っています。
お話させていただいた奥村も、いろいろと気づきをいただきました。
ありがとうございました。