今日お会いした社長さんは、ご自身の社長としての“おわり”について淡々と考えていらっしゃいました。
「それが?」と思われるかもしれませんが、すごく珍しいです。
事業承継の場面では、手放す事業に対して未練がましかったり。
後継ぎに権限をゆだねられなかったり。
利益を最大化しようと往生際が悪かったり・・・
こんな社長さんがどちらかといえば普通です。
でも、今日お会いした方は「急に自分が死んだりして社員に迷惑をかけることは避けたい」と。
で、「それ以外はなんでもいいや(笑)」という調子でした。
事業承継の相談をされる社長としては、年齢的にはかなり若めの方でした。
たしかに金銭的な余裕はもうできているという面もあるのでしょう。
「だからそんな涼しい顔をしていられるんだ」と言いたい方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、十分なお金がありながら、さらにお金にしがみつく人だってたくさんいます。
変に欲を出してしがみつこうとしなければ心は穏やかでいられます。
また、そんなスタンスで経営してきたから、会社もいい感じで運営されてきたのではないかとも感じました。
変な欲が出ると、経営にはマイナスをもたらすような気がしてなりません。
欲のすべてが悪いのではありませんが、何ともいえぬ変な欲というものがあるのです。
僕としては社長さんのこんな淡々とした姿勢に心を打たれました。
自分も、いつもこんな風にいたいものです。