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廃業や事業承継に伴う解雇のコツ

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こちらの横断幕をご覧くだけますか。

「○○株式会社は、今すぐ不当解雇を撤回せよ!」と書かれています。

こちらは、ある豪邸を囲うフェンスに掛けられていたものです。

なにやら物々しい雰囲気ですね。

会社を解雇された従業員(たち)がいたのでしょう。

その従業員が解雇に抗議するため、社長宅にこのような横断幕をかけたことに間違いはなさそうです。

従業員は抵抗の意思を示すためと、社長への嫌がらせのために、無断で横断幕を掛けたと思われます。

翌朝には外されていました。

スーツを着た人間がせわしなく出入りしていたので、弁護士か警察が呼ばれたのでしょう。

どういったいきさつで解雇になったのかは、僕にはうかがい知れません。

ただ、会社を廃業する場合や事業を他者へ承継させる場合にも、従業員さんの解雇や退職勧告が行われることがあります。

そこで、私のブログの読者の皆さんに注意を喚起したいと思い、この話題を選びました。

こんなことにならないためには、ストーリーがとても重要になります。

従業員を辞めさせるのではなく、できるだけ自ら辞めてもらう方向にもっていくことで余計な反発や反撃はなくなります。

そのために説明を上手にしたり、ときに実情を知ってもらったりします。

ここで注意しなければいけないのは「法律上、合っているかどうか」が問題ではないということです。

たとえ法律上は問題がなくても、相手が解雇を受け入れてくれるかは分かりません。

むしろ法律でものを考えていると、相手からの反感を買ってしまいがちです。

今回の横断幕のような嫌がらせや抵抗につながります。

法律上は問題なくても、相手がそれに納得するかは別問題。

そして納得しなかった人間は、社長に嫌がらせや攻撃をすることだってできます。

あくまで相手は感情のある人間であり、そちらをケアすることが大切です。

法律を守るのは最低限の話ですが、法律で白黒つける必要が起きないように、双方が納得できるようなストーリーを描くことが鉄則です。

こういった衝突を回避するために、僕は現場で作戦を考えて、プロジェクトを管理する役割も担っています。

最後に、上手にストーリーを作って対応すれば、全員が全員納得してくれるわけでもない、ということも押さえておきましょう。

ごく一部ですが「話して分からない人」も世の中にいます。

そういう人に対しては、ガチンコで戦わなければいけません。

戦いを恐れてはいけない場合があります。

どんな場面でも、誰に対してでも、一つのやり方が通用するわけではないという点も押さえておきたいところです。


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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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