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お盆明けからあわただしく、ブログの更新が滞っていました。
このところ、とあるテレビ局のディレクターさんと接する機会が続いています。
彼は『廃業』をテーマに取材をしたいという考えを持っていました。
しかし、僕は「廃業もM&Aも根っこは一緒だったりしますよ」と話続けてきました。
最初はピンとこなかった様子です。
でも、付き合っていただく時間が長くなったこともあり、「その意味がようやく分かってきた」と、先日おっしゃってくださいました。
『廃業』と『M&A』は対極のように扱わることが多々あります。
後継者がいないことによる廃業の増加が問題視され、それを救うのがM&Aだ!と。
こんな感じで描かれます。
ここに奥村は違和感があるのです。
たとえば、廃業を決断した会社があったとしましょう。
廃業を進めていくためには、残った資産を売却や処分し、負債の返済を行います。
そうして会社の中身を空っぽにしてようやく廃業が実現できます。
その過程の取り組みを「清算」と呼びます。
清算するにおいては、当然、資産をできるだけ多くのお金に換えたいところです。
そうしなければ、負債を減らせません。
もし負債を払ってもお金が残るならば、それは株主(ほとんどは社長)が受け取ることができます。
ならば、「いかに資産を高く売却するか」が問われます。
そのとき資産をただ資産として売るのではなく、事業というソフトごと売ればどうでしょうか。
「お客さんや従業員も引き継げるからありがたい」という、買い手がいてもおかしくありません。
こちらとしても、店舗の原状回復や従業員解雇の義務などを免れることができるメリットがあります。
ニーズが合致すれば、資産を単純に売るよりも高く売れるのです。
この場合、会社ごと買ってもらう場合もあれば、会社の一部だけ買ってもらうケースもあるでしょう(事業譲渡)
いずれにせよ、結果はM&Aです。
スタートこそ廃業だったかもしれませんが、M&Aにつながりました。
僕が、廃業とМ&Aの根っこは同じというニュアンスが伝わったでしょうか。
逆パターンもあります。
「会社を売却しよう」とM&Aのために動いている会社があるとします。
しかし、結局買い手が見つかりません。
(このパターン、実はたくさんあります)
そうなれば、あとは廃業を進めていくしかありません。
これも仕方がないことです。
M&Aから廃業という、先ほどとは逆の流れです。
こうしてみると、廃業とM&Aが敵対する関係ではないということを感じることができませんか。
どちらも、ひとつの手段なのです。
そして、手段というのは、目的があってこその手段。
では、この場合何が目的でしょうか。
「最善の終わりを迎える」
これこそが目的であるはずです。
会社は終わりを迎えることがあります。
理屈上は永遠の命を持てますが、現実は終わりを迎えるものといって過言ではありません。
もし会社が存続しつづけられるにしても、そのトップである社長は永遠ではありません。
どんなに社長の椅子にしがみついても、いずれピリオドがうたれます。
なにかしらの終わりがやってきます。
「その終わりを良きものにしよう」とすることが最も大切なことではないでしょうか。
廃業もM&Aもそれを実現する手段に過ぎないのです。
手段ばかりが注目されてしまっている気がしますが、もっと本質のところをみんなで共有できるといいですね。
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