出口戦略とは
出口戦略という言葉はご存知でしょうか。
「できるだけ損害を減らして撤退を実現するための戦略」というのが本来の意味のようです。
きっと軍事用語から来ているのでしょう。
ちなみに撤退は難しいとよく言われます。
これは意思決定のレベルと、戦術・戦闘面のレベルの双方を指すのでしょう。
まず意思決定において。
誰も喜んで撤退する人はいません。
ゆえに意思決定が遅れて損害を増やしてしまいがちです。
サンクコスト(埋没費用)の問題もそうです。
実際はもう回収不能な費用であるにもかかわらず、なかなかあきらめきれないのが人間心理。
「これだけのお金(時間)を投じたのだから、回収しきるまでは撤退できない」との心理がはたらきます。
そうして撤退判断のタイミングを逃しやるくなります。
次に、戦術や戦闘のレベルでは「撤退戦は難しい」と評されます。
三国志などを読めばこんな言葉はいろんなところに出てきます。
撤退戦では、集団のモチベーションが下がるなどして、統制が取りにくくなります。
また、自軍の撤退を知った戦相手は勢いに乗って攻め込んできます。
結果、大きな損害を受けやすくなります。
この難局をいかにこなすかで、受ける損害の差が出ます。
ここまでを振り返ると、
「撤退戦では早めに判断をして、上手く逃げ切るための作戦を用意しておくこと」
が成功法則だと見えてきそうです。
意味が変わってきた出口戦略
さらに近年になると、出口戦略に別のニュアンスも加わるようになりました。
М&AやIT業界の台頭による影響なのでしょう。
「マイナスをいかに減らすか」というネガティブな局面だけが想定されていた出口戦略に、『勝ち逃げ』という意味も含まれるようになりました。
起業を志す人やベンチャー企業経営者の間では、「出口戦略はどうするの?」なんて会話はよくなされます。
これは「いつ、どうやって、撤退するの?」という意味ではありません。
「最終的に、どうやって立ち上げた事業を売却するの?」という意味だったりします。
事業を換金することで自分の出口を迎えよう、と。
経営環境や会社に対する価値観が変化しています。
その結果、「会社を良いタイミングで手放そう」という発想を持つ起業家が増えているようです。
中小零細企業の出口戦略
この記事をお読みの社長は、出口戦略をもっていらっしゃいますか?
地域に根付いた中小零細企業でも考えておくべきです。
戦略を立てずに流されれば、気づいた時には選択肢を失っていたりします。
ズルズルいってしまった後に、「あの時決断できていれば・・・」ではさびしい限り。
昔ながらの後継者たる親族継がせる事業承継。
第三者に会社を売却するМ&Aや、外からやってきた第三者に事業を引き継がせる継業。
自ら会社をたたむ廃業もあれば、強制的にリセットされる倒産。
さらには、社長の座にいながら相続が発生する場合もあります。
それぞれの会社で終わり方は違います。
ただし、社長のキャリアという面では「いつか退任する日が来る」という点で共通しています。
ならば、それを想定して作戦を立たておきませんか。
作戦があれば、上手く着地できます。
家族や従業員を落胆させないで済むでしょう。
そして、ご自身が後悔しないためにも・・・。
奥村聡の支援スタイル
税金や法律などの部分を扱うのではなく、出口戦略の全体を指揮、管理するのが奥村流の支援です。
全体が見えるのでよりベターな作戦を立案できます。
ときに、後継者や金融機関の間に入って意見を調整することも。
経営者の視点で接することができ「さすが、奥村さんは話を分かってくれるよね」と、個客の社長から評されることが多くあります。